古注(こちゅう)とは、古い時代に成立したかまたは内容が現在から見て古い注釈または注釈書を指す専門用語。古注釈(こちゅうしゃく)ともいう。

概要

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中国の代表的な古典作品、例えば『論語』などの中に研究者が「古注」と称する一群の書籍群があり、研究史上で画期となる特定の注釈書以降の一群の書籍群を専門分野の研究者が「新注」と呼んで対比する。









漢籍における古注

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書名 古注 新注
王弼注・韓康伯 『周易本義』(朱熹
孔安国 『書集伝』(蔡沈
毛亨毛萇伝、鄭玄 『詩集伝』(朱熹)
礼記 鄭玄
春秋 春秋左伝集解』(杜預 『春秋胡氏伝』(胡安国
論語 論語集解』(何晏ら) 論語集注朱熹
大学 (『礼記』の一篇) 大学章句(朱熹)
中庸 (『礼記』の一篇) 中庸章句(朱熹)
孟子 孟子注(趙岐 孟子集注(朱熹)



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日本の古典作品における古注

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『伊勢物語』における古注釈

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『古今和歌集』における古注釈

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『源氏物語』における古注釈

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時代区分

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西

使
最広義の古注(=古注釈) 広義の古注 狭義の古注 源氏釈』(平安末)から『河海抄』(室町初期)まで
旧注  花鳥余情』(室町中期)から『湖月抄』(江戸初期)まで
新注 紫家七論』(江戸中期)から『源氏物語評釈』(江戸末まで)まで

[4]

1234[5]


年立 系図
古注 明確な年立が存在しない 古系図
旧注 旧年立(一条兼良による) 三条西実隆による系図(実隆本
新注 新年立(本居宣長による) すみれ草』の系図

古注の特徴

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使







使使使使



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古注に含まれる注釈書

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一般的には以下のような注釈書が「古注」であるとされている。

上記の他に同じ時期に以下のような注釈書が書かれたことがわかっているがこれ以後の注釈書にほとんど引用されていないため古注には含めないこともある。

脚注

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参考文献

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, 1961310ISBN 9784759901733 NCID BN02388147 

,  3 200721ISBN 9784273034535 NCID BA80833372 

,  4 2007620ISBN 9784273034542 NCID BA82211169 

,2017   ISBN 978-4-385-14048-3

2016  ISBN 4623075095

関連項目

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