エヴルー家

エヴルー家︵仏‥Maison d'Évreux, 西‥Casa de Evreux︶は、カペー家支流に属するフランスの貴族の家系。14世紀から15世紀前半にかけてナバラ王国の王家にもなった。

歴史

フランス王フィリップ3世と2度目の妃マリー・ド・ブラバンの息子で、フィリップ4世やヴァロワ伯シャルル︵ヴァロワ家の祖︶の異母弟であるルイがエヴルー伯に封じられたのが、この家系の起こりである。ルイの息子のうち長男シャルルはエタンプ伯を継いだが、その息子ルイ2世の代で断絶する。エヴルー伯を継いだ次男フィリップは、フランス王ルイ10世の娘ジャンヌと結婚し、カペー家嫡系の断絶に際してフランスとの同君連合下にあったナバラ王国の王位を獲得する。

エヴルー家はカペー家嫡系やヴァロワ家と複雑な婚姻関係を結んでおり、またヴァロワ家に次いでカペー家嫡系に近い血筋であったことから、ヴァロワ朝期にはフランス王位の獲得を望んで王家と対立し、またカペー家系ブルゴーニュ家が断絶した際には相続権を主張したが、いずれも果たせずに終わった。ナバラ王家となって以後はイベリア半島の諸王家とも婚姻関係を結んでいる。

シャルル︵カルロス︶3世の代で男子が絶え、その長女ブランシュ︵ブランカ︶1世はのちにアラゴン王となるフアン2世と結婚しており、ナバラ王位はトラスタマラ家を経て南フランスの貴族フォワ家に相続された。

系図

マリー・ド・ブラバン

フィリップ3世 フランス王

イザベル・ダラゴン

マルグリット・ダルトワ

ルイ エヴルー伯 エタンプ伯

ブランシュ

ルドルフ3世 オーストリア公

マルグリット

エドワード1世 イングランド王

ジャンヌ（フアナ）1世 ナバラ女王

フィリップ4世 フランス王 ナバラ王

シャルル ヴァロワ伯

ロベール2世 ブルゴーニュ公

シャルル エタンプ伯

マリー・ド・ラ・セルダ

マルグリット・デヴルー

ギヨーム12世 オーヴェルニュ伯

ジャンヌ・デヴルー

シャルル4世 フランス王 ナバラ王

マルグリット・ド・ブルゴーニュ

ルイ10世 フランス王 ナバラ王

フィリップ5世 フランス王 ナバラ王

フィリップ6世 フランス王

ジャンヌ・ド・ブルゴーニュ

ルイ2世 エタンプ伯

ジャン

フィリップ（フェリペ）3世 ナバラ王 エヴルー伯

ジャンヌ（フアナ）2世 ナバラ女王

ブランシュ

ジャン1世 フランス王 ナバラ王

ジャンヌ1世 オーヴェルニュ女伯

ジャン2世 フランス王

フィリップ オルレアン公

エンリケ2世 カスティーリャ王

ペドロ4世 アラゴン王

マリア・デ・ナバラ

シャルル（カルロス）2世 ナバラ王 エヴルー伯

ジャンヌ・ド・ヴァロワ

ブランシュ・デヴルー

シャルル5世 フランス王

フアン1世 カスティーリャ王

レオノール・デ・アラゴン

マルティン1世 アラゴン王

レオノール・デ・カスティーリャ

シャルル（カルロス）3世 ナバラ王 エヴルー伯

ジャン4世 ブルターニュ公

ジャンヌ・ド・ナヴァール

ヘンリー4世 イングランド王

エンリケ3世 カスティーリャ王

フェルナンド1世 アラゴン王

マルティーノ1世 シチリア王

ブランシュ（ブランカ）1世 ナバラ女王

ジャン5世 ブルターニュ公

マリー・ド・ブルターニュ

アルテュール3世 ブルターニュ公

ヘンリー5世 イングランド王

アルフォンソ5世 アラゴン王 ナポリ王

フアン2世 アラゴン王 ナバラ王

フェルナンド2世 アラゴン王 カスティーリャ王

カルロス ビアナ公

ブランカ

レオノール ナバラ女王

ガストン4世 フォワ伯

フォワ家 （ナバラ王家）

関連項目

• エヴルー伯
• ナバラ君主一覧