ガタパーチャ
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グッタペルカ | ||||||||||||||||||||||||||||||
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![]() グッタペルカ | ||||||||||||||||||||||||||||||
保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||||||||
NEAR THREATENED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ![]() | ||||||||||||||||||||||||||||||
分類(APG IV) | ||||||||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
Palaquium gutta (Hook.f.) Baill. | ||||||||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
グッタペルカ(ガタパーチャ) | ||||||||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||||||||
gutta percha |
ガタパーチャ︵Gutta Percha︶またはグッタペルカノキ、ガタパチャノキ[2]グッタペルカあるいはグッタペルヒャとは、マレーシア原産のアカテツ科の樹木およびその樹液から得られるゴム状の樹脂である。ガタパーチャとはマレー語で﹁ゴムの木﹂の意味。ガッタパーチャとも呼ばれる。
![](//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a5/Guttapercha_structure.png/200px-Guttapercha_structure.png)
ガタパーチャの構造式
通常の天然ゴムは南アメリカ原産のパラゴムノキ︵Hevea brasiliensis︶の樹液から採れるもので100 % cis︵シス︶型のポリ-1,4-イソプレン構造をしているが、ガタパーチャは100 % trans︵トランス︶型のポリ-1,4-イソプレンである[3]。trans型のイソプレンはcis型に比べ分子鎖間にはたらく分子間力が強く、そのため、ガタパーチャから作られるペルカゴムと呼ばれる天然ゴムは、通常の天然ゴムより固く強靭で弾性が低い。色は白色である。
マレーでは古くから利用されていたが、西洋にその存在が知られたのは1842年。空気中では酸化されやすいが水中ではほとんど変質しないという性質と、絶縁性の高さから、1850年代から高分子化合物が利用されるまで海底電線の被覆材となった[4]。ドイツのヴェルナー・フォン・ジーメンスとハルスケは地下ケーブルのために被覆導線を発明したが、原産地のマレー・ボルネオを支配していたイギリスが、栽培、輸入、販売を独占。遂には大西洋横断電信ケーブルを敷き国際通信大国となったイギリスに対抗するため、ドイツと日本は有線とは別に無線通信の研究を始めることとなる︵井上照幸﹃KDD IDC ITJ﹄︵大月書店︶参照︶。
カメラの外装に使用されることもあり、ライカが外装に革ではなくこの樹脂︵合成皮革と言及されることがある︶を利用していることなどはよく語られるところである。
現在はゴルフボールのカバー︵外皮︶材が最も大きな用途で、歯科医療の根管充填材、仮封材としても用いられる。
ガタパーチャと同じく100 % trans型のポリ-1,4-イソプレンである天然のゴム類似物質に、南アメリカ原産のアカテツ科の樹木 Mimusops balata から得られるバラタがある。これもゴルフボールのカバー材に使用される[3]。
また、アカテツ科ではないトチュウ︵トチュウ科︶の樹皮からもガタパーチャと類似した樹脂が採取できる。
植物[編集]
マレーからソロモン諸島に分布する常緑高木。成長すると樹高30メートル、直径1メートルの巨木になる。葉の大きさは8 - 25センチメートルで、裏側が黄色い。花は白く、枝に沿ってまとまって付く。実は3 - 7センチメートル大の卵型で、食べられる。樹脂[編集]
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/a5/Guttapercha_structure.png/200px-Guttapercha_structure.png)
歴史[編集]
●1656年 - イギリスの植物学者ジョン・トラデスカントが本国でゴムの木を発表[5]。 ●1843年 - イギリス東インドの医師ウィリアム・モンゴメリーが学会︵のちのロイヤル・ソサエティ・オブ・アーツ︶で素材としてのGP︵グッタペルカ︶を紹介。ゴルフボールに改革を起こした。 ●1845年 - ロンドンでガタパーチャ社が創業。電線の絶縁体として販売された。 ●1846年 - グラスゴーで調帯メーカー﹁R. and J. Dick﹂社が創業[6] ●1849年 - 歯科で歯の詰め物として利用される[5]。 ●1897年 - ﹁R. and J. Dick﹂社が代理店山崎商店を通して日本への輸出を開始。東京電燈、東京ガス、日本鉄道、古川鉱業所を始めとする当時の主な工場で使用されていた[7][8]。脚注[編集]
(一)^ Olander, S.B. & Wilkie, P. (2018). Palaquium gutta. The IUCN Red List of Threatened Species 2018: e.T61965223A61965225. doi:10.2305/IUCN.UK.2018-2.RLTS.T61965223A61965225.en Downloaded on 11 February 2019.
(二)^ 米倉浩司・梶田忠 (2003-).﹁BG Plants 和名-学名インデックス﹂︵YList︶,http://ylist.info ︵2019年2月11日︶.
(三)^ ab日本化学会編﹃化学便覧 応用化学編 第6版﹄丸善︵2003/01︶ 16.7.3 天然樹脂
(四)^ “海底電信ケーブルの絶縁体はゴルフボールや歯科治療にも!?”. KDDI (2021年8月25日). 2021年10月29日閲覧。
(五)^ abTimeline - The Plastics Historical Society。
(六)^ UKGrace's Guide To British Industrial History。
(七)^ ﹁英国グラスゴー、アール、ヂック氏専売ヂック調帯﹂。︿工業雑誌7巻137号﹀、工業雑誌社。1897年
(八)^ ﹁山崎商店﹂︿機械雑誌2巻4号﹀機械雑誌社、1900年。
関連項目[編集]
- コンチネンタル (自動車部品製造業) - 当初の社名が「コンチネンタル弾性ゴム・グッタペルヒャ社」
- 海底ケーブル - 歴史、絶縁材料としてファラデーらが研究/1843年