フィル・ティペット
表示
フィル・ティペット Phil Tippett | |||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
![]() | |||||||||||||
生年月日 | 1951年9月27日(72歳) | ||||||||||||
出生地 |
![]() | ||||||||||||
主な作品 | |||||||||||||
『スター・ウォーズ』シリーズ 『ドラゴンスレイヤー』 『ロボコップ』シリーズ 『ウィロー』 『ジュラシック・パーク』 『ドラゴンハート』 『スターシップ・トゥルーパーズ』シリーズ 『エボリューション』 『スパイダーウィックの謎』 『トワイライト』シリーズ 『マッドゴッド』 | |||||||||||||
|
フィル・ティペット︵Phil Tippett, 1951年9月27日 - ︶は、アメリカのストップモーション・アニメーターで、特殊効果スタッフ、または映画監督。イリノイ州出身。カリフォルニア大学アーバイン校卒。
経歴
[編集]
7歳の時にレイ・ハリーハウゼンの﹃シンバッド七回目の航海﹄を見て特殊撮影に魅せられ、その道を志した。
カリフォルニア大学でデニス・ミューレンと出会い、﹃スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望﹄に参加し、モンスター・チェスの場面などを担当。﹃スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲﹄では冒頭のトーントーンや銀河帝国軍のAT-ATのシーンを作り出し、一躍有名になる。
1981年、映画﹃ドラゴンスレイヤー﹄の為にストップモーションを洗練した独自の手法﹁ゴー・モーション﹂を開発する。
1983年の﹃スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還﹄ではILMのクリーチャー部門主任として参加、アカデミー賞で特殊視覚効果賞を受賞した。
1984年にはILMから独立してSFX会社ティペット・スタジオを設立。﹃ロボコップ﹄シリーズなどを手掛ける。
自身が恐竜マニアで独自に研究も重ねており、1985年には恐竜時代を描いたストップモーション・アニメによる短編﹃Prehistoric Beast﹄を監督した。
また製作にも進出。1987年の﹃ロボコップ﹄はもともとティペットのストップモーション・アニメの技術を前提とした企画で、シリーズ3作でストップモーション・アニメを製作しただけでなく第1作と第2作ではアソシエイト・プロデューサーも担当した。
しかし1991年、スティーヴン・スピルバーグ監督の映画﹃ジュラシック・パーク﹄で転機を迎える。当初この映画では恐竜の表現にゴー・モーションを使う予定だったが、デニス・ミューレン率いるILMが試作したコンピュータグラフィックス︵CG︶の恐竜の映像が素晴らしかったためティペットは降板となる。CGの恐竜を見たティペットは己の存在価値が無くなったと絶望し、肺炎にかかり2週間寝込んだという。作品の﹁私は失業︵絶滅︶だ﹂という台詞は実際にティペットがCG恐竜の感想として漏らした言葉である。
しかしながらILMのCGスタッフも恐竜の細部の動作に個性を与える事は出来ず、ティペットは再び招聘されストップモーション・アニメのように動きを一コマずつコンピュータに入力するDID︵Dinosaur Input Device=恐竜入力装置︶を開発し恐竜全体の動きを監修するだけでなく、CGスタッフたちにも恐竜の動きを教え、再びアカデミー賞で特殊視覚効果賞を受賞。ティペットのアニマティックスの一部は本作DVDに収録されている特典映像で見る事ができる。
1997年の﹃スターシップ・トゥルーパーズ﹄でもDIDを使用し、CGIによる昆虫型エイリアンを演出した。2004年には続編となる﹃スターシップ・トゥルーパーズ2﹄で長編監督デビュー。また両方で視覚効果と製作補を兼任した。
2012年5月、個人的な企画として1990年に着想し一旦ボツになったストップモーション短編シリーズ﹃マッドゴッド﹄を再始動させるため、クラウドファンディングサービスのKickstarterでその第一部の制作資金を募り、4万ドルの目標額を大きく上回る12万4156ドルを獲得した。﹃MAD GOD﹄の第一部は2013年12月に完成し、カリフォルニア州のニュー・パークウェイ・シアターで初公開された。また、現在では公式ウェブサイト上でも有償公開されている。このシリーズに関しては、フィル・ティペット自身がライフワークであると公言しており、2014年には第二部の資金をKickstarterで集めた︵6万ドルの目標額に対して6万1567ドル獲得︶ほか、公式サイトには第三部の公開枠も既に用意されている。
フィルモグラフィー
[編集]- スター・ウォーズシリーズ
- スター・ウォーズ Star Wars(1977)
- スター・ウォーズ/帝国の逆襲 Star Wars: The Empire Strikes Back (1980)
- スター・ウォーズ/ジェダイの復讐 Star Wars: Return of the Jedi (1983)
- スター・ウォーズ/フォースの覚醒 Star Wars: The Force Awakens (2015)
- ドラゴンスレイヤー Dragonslayer (1981)
- ロボコップシリーズ
- ジュラシック・パーク Jurassic Park (1993)
- ドラゴンハート Dragonheart (1996)
- スターシップ・トゥルーパーズ Starship Troopers (1997)
- ヴァイラス Virus (1999)
- スターシップ・トゥルーパーズ2 Starship Troopers 2: Hero of the Federation (2003) 監督
- スパイダーウィックの謎 The Spiderwick Chronicles (2008)
- ニュームーン/トワイライト・サーガ The Twilight Saga: New Moon (2009)
- エクリプス/トワイライト・サーガ The Twilight Saga: Eclipse (2010)
- トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part1 The Twilight Saga: Breaking Dawn – Part 1 (2011)
- トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part2 The Twilight Saga: Breaking Dawn – Part 2 (2012)
- マッドゴッド Mad God (2021)
受賞とノミネート
[編集]賞 | 年 | 部門 | 作品名 | 結果 |
---|---|---|---|---|
アカデミー賞 | 1981[1] | 視覚効果賞 | ドラゴンスレイヤー | ノミネート |
1983[2] | 特別業績賞 (視覚効果に対して) | スター・ウォーズ/ジェダイの復讐 | 受賞 | |
1988[3] | 視覚効果賞 | ウィロー | ノミネート | |
1993[4] | ジュラシック・パーク | 受賞 | ||
1996[5] | ドラゴンハート | ノミネート | ||
1997[6] | スターシップ・トゥルーパーズ | ノミネート | ||
英国アカデミー賞 | 1983[7] | メイクアップアーティスト賞 | スター・ウォーズ/ジェダイの復讐 | ノミネート |
1988[8] | 特殊効果賞 | ロボコップ | ノミネート | |
1993[9] | ジュラシック・パーク | 受賞 |
参考文献
[編集]
(一)^ “THE 54TH ACADEMY AWARDS”. oscars.org. 2016年4月20日閲覧。
(二)^ “THE 56TH ACADEMY AWARDS”. oscars.org. 2016年4月20日閲覧。
(三)^ “THE 61ST ACADEMY AWARDS”. oscars.org. 2016年4月23日閲覧。
(四)^ “THE 66TH ACADEMY AWARDS”. oscars.org. 2016年4月23日閲覧。
(五)^ “THE 69TH ACADEMY AWARDS”. oscars.org. 2016年4月23日閲覧。
(六)^ “THE 70TH ACADEMY AWARDS”. oscars.org. 2016年4月23日閲覧。
(七)^ “Film 1984”. 英国映画テレビ芸術アカデミー. 2016年4月20日閲覧。
(八)^ “Film 1989”. 英国映画テレビ芸術アカデミー. 2016年4月20日閲覧。
(九)^ “Film 1994”. 英国映画テレビ芸術アカデミー. 2016年4月20日閲覧。