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修辞技法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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概説

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修辞技法はギリシアローマ時代から学問的な対象として扱われており、修辞学(レトリック、Rhetoric)という学問的存在の領域となっている。

西洋の古典修辞学者らによって Scheme(配列を変えること)と Trope(転義、比喩)に大別された。

分類

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西2

Scheme - 

Trope - 

 The Garden of Eloquence1577184 scheme  (trope)  Figures of Disorder 便


比喩

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直喩法

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[?]西[]




綿






隠喩法 

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換喩法

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提喩法

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Synecdoche












諷喩法

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: Parable使[1][2]









比喩表現の複合

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これらの比喩が複合することもある。たとえば「右のエース」という表現は、エースで一番手を指す暗喩、右で右手で投げる投手を表す換喩を兼ねている。更に、「右のエース」という言葉は、野球のみでしか通用しないので、野球という上位概念の中の下位概念に値することから、この表現そのものが提喩となっている。

擬態法

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擬態語・擬音語・擬声語

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 (onomatopee) (onomatopoeia) 

使[]

擬人法

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  • 「海に出て木枯帰るところなし」(山口誓子
  • 木はわたしに向かって手を振った。
  • 風が私を優しく撫でた。

擬物表現

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 Hypostatization

姿 




生物形象・無機物形象(擬人表現と擬物表現の逆相関)

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  • アリのような人
    社会性のあるアリ、特に働きアリのイメージに例え、勤勉な人物あるいは黙々と自らの属する組織に尽くす人
  • カメレオンのような人
    自らの外敵からの攻撃をさけるため、周囲の環境によって体色を自在に替えるカメレオンのイメージに例え、自分の周囲の状況を察知して主義・主張や振る舞いをコロコロ替える人、世渡り上手、お調子者
  • 風見鶏のような人
    「カメレオンのような人」と同義
  • ハゲタカのような人
    健康な相手は決して襲わないが、ひとたびその相手が衰えたり死んだりすると、よってたかってその肉をむさぼるイメージにたとえ、人の弱みにつけこんで自分の利益をむさぼる人
  • のような人
    二枚貝が堅く殻を閉じているイメージに例え、無駄な口を開かない人、ないしは身持ちが堅く防御的傾向にある人
  • 太陽のような人
    太陽系を成す恒星に例え、その系統の中心となるような人、あたたかい人

倒置法

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 調






反復法

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調



    

同語反復

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 (Tautology) 1







首尾同語(反照法)

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便便

体言止め

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調1990[?]


反語

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呼びかけ

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対象物との密接な関係を表す手法。「~よ」などの形になることも多い。

パラレリズム

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2, 使

対句

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使2使使








押韻

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使






語句の挿入

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括弧やリーダー、ダッシュなどを使って、語り手が説明を補足したり、弁明したりする表現。

説明補足の用例
  • 少なくとも、彼の方が生徒会長に相応しいと思う(といっても、どっこいどっこいだが)。
    括弧で説明を補足することで、要はどっちでも同じ、双方相応しくないと思っている第三者の心理が読み取れるようになる。
弁明の用例
  • 彼は(時期尚早だとは思いつつ)、社長に新事業について提案してみた。
    括弧を入れなくても文章の内容は通っている。これを括弧に含めることで、主語の人物の躊躇(僭越じゃないかという懸念があったという弁明)がよりはっきり透かし彫りされるようになる。

省略法

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西使

 (Purposeful omission) 使






















 Zeugma 


:#



緩叙法

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漸層法

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Anticlimax

対照法

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使



調

敷衍(ふえん)

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調


調

パロディ

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畳語法・畳句法・畳音法

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調

30
調


調

 
調

疑惑法

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5[3]






















便







誇張法

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調








列挙法・列叙法

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調










折句

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史的現在

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「歴史的現在」とも。過去の出来事を、あたかもたった今行われているかのように書き表す手法。

撞着語法

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頓降法/漸降法

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いろいろと肯定的な文面を列挙しておいて、最後に落ちとなる言葉を入れることで、全体を否定したり、滑稽な表現をしたりする方法。漸層法の一種と見なされる。頓降法の場合は、一旦盛り上げておいてから一気に落とす場合が多い。対して、段階的に落ちを利用する手法は「漸降法」と呼んでいる学者もいるが、反漸層法 (Anticlimax) 《→前述:#漸層法》の和訳である場合と頓降法(Bathos)である場合があり、かなり紛らわしくなっている。

頓降法

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便






漸降法

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1234





このコントのように、落ち以外の対象は階層化が発生せず(願望として外車も宝石も同等と見て良いため)、平行線から急落する場合もあるが、これも漸降法に分類される。

黙説

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/





/



 


/










冗語法

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調 perissology

転用語法

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相手に伝えたいことを強調するために、通常使う文法形式のかわりに別の形を使いる手法。

脚注

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  1. ^ 諷喩 とは - コトバンク”. デジタル大辞泉. 小学館. 2011年4月5日閲覧。
  2. ^ 野内 良三 (2005) 『日本語修辞辞典』 国書刊行会
  3. ^ 佐藤信夫他『レトリック事典』

参照文献

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2006ISBN 4-469-01278-5ISBN 978-4-469-01278-1 

古典

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現代(海外)

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  • Baldwin, Charles Sears (repr. 1959) Ancient Rhetoric and Poetic: Interpreted from Representative Works. Gloucester: Peter Smith.
  • Henry Caplan (tr.)(1954)Rhetorica ad Herennium. Loeb Classical Library. Harvard University Press.
  • Corbett, Edward P.J. (1971) Classical Rhetoric for the Modern Student. New York: Oxford University Press.
  • Kennedy, George (1696 (4th print)) Art of Persuasion in Greece. Princeton Univ Press, 1969.
  • Lanham, Richard A. (1991) A Handlist of Rhetorical Terms. Berkeley: University of California Press.
  • Mackin, John H. (1969) Classical Rhetoric for Modern Discourse. New York: Free Press.

現代(日本)

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関連項目

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外部リンク

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