健康酒
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健康酒︵けんこうしゅ︶とは、健康の保持増進に効果があるとされる酒類。類似の概念として、薬酒︵やくしゅ︶、薬用酒︵やくようしゅ︶、薬味酒︵やくみしゅ︶などがある。酒そのものに健康増進の効用があるとして﹁健康酒﹂を称する場合もあるが[注 1]、多くの場合には、薬草、生薬等を浸した混成酒︵リキュール・甘味果実酒︶を指す。
概要
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世界各地で見られ[1]、日本で製造・販売されているものとしては養命酒・機那サフラン酒・陶陶酒・保命酒・遼伝来福酒・黄帝酒等があり、一部は医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の適用を受ける医薬品︵薬用酒︶として登録されている。酒税法の分類ではリキュールまたは甘味果実酒となるものが多く、品目に代わる名称としてリキュールであれば薬用酒または薬味酒、甘味果実酒であれば薬剤甘味果実酒または薬用甘味果実酒と表示することもできる。
また、焼酎︵ホワイトリカー︶・ブランデー等の蒸留酒やワイン等の醸造酒を利用して家庭でも作られる[注 2]。
なお、医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律の適用を受ける医薬品に該当する健康酒︵薬用酒︶の飲用後でも、飲酒運転または酒気帯び運転として道路交通法違反にあたる恐れがあるので、車︵オートバイ、自転車等の軽車両も含む︶を運転する前には、飲用しないことが適当である[注 3]。このほか、20歳未満の者の服用については、アルコールが含有されているため、二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律のかねあいもあり、できないこととされている[注 4][注 5]。
製造方法
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日本の家庭で製造する場合には、無色で香りが弱く、安価かつアルコール度数の高いホワイトリカー︵アルコール度数35度︶を基酒とするのが一般的である[2]。飲みやすくするために、糖類を加える場合が多い。熟成期間は材料によってまちまちだが、一般的には2〜3週間以上漬け込む。
代表的な健康酒
[編集]- 養命酒（養命酒製造）第二類医薬品
- 陶陶酒（陶陶酒製造）第二類医薬品
- 黄帝酒（佐藤製薬）第二類医薬品
- ツムラの薬養酒（ツムラ）第二類医薬品[3]
- 保命酒（岡本亀太郎本店、入江豊三郎本店、八田保命酒舗、鞆酒造）
- 蘭麝酒（青木蘭麝堂）[4]
- 忍冬酒（小島醸造）[5][6]
- 白散・度嶂散（下鴨神社）[7]
- 養老酒（玉泉堂酒造）[8][9]
- 機那サフラン酒（新潟銘醸）[10][11]
- 薬寿（武田薬品、サントリー）[12]※終売品
脚注
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(一)^ 一例として、瑞泉酒造株式会社﹁健康酒の証明﹂﹃泡盛驚く効果発見!!﹄第四話。
(二)^ 日本語の文献としては、﹁健康酒﹂を標榜した指南本として、岡本千鶴﹃健康酒入門﹄保育社、1982年等がある。また清水大典﹃薬酒・果実酒全科‥本草酒のつくり方と効用﹄家の光協会、1983年、信定滝太郎﹃漢方薬酒の作り方90種﹄東都書房、1965年、藤巻あつこ﹃果実酒・花酒・薬用酒手作り大全科﹄グラフ社、2001年等、薬酒・薬用酒の指南本も出されている。
(三)^ 養命酒製造の公式ホームページにある﹃﹁薬用養命酒﹂に関するよくあるお問合せ﹄によれば、﹃﹁薬用養命酒﹂は医薬品ですが、アルコール分が14%も含まれています。飲酒運転は法律で禁じられていますので、運転前の服用はお控えください。﹄の旨が掲載されている。
(四)^ 令和4年︵2022年︶4月1日に民法上の成人年齢は満18歳以上に変更されたが、飲酒可能年齢は引き続き満20歳以上されている。
(五)^ 参考として、養命酒製造の公式ホームページにある﹃﹁薬用養命酒﹂に関するよくあるお問い合わせ︵養命酒製造︶﹄の﹁未成年が飲んでも大丈夫?﹂によれば、﹃﹁薬用養命酒﹂にはアルコール分が14%︵日本酒やワイン程度︶含まれていますので、20歳未満の場合には服用できません。﹄の旨が記載されている。
出典
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(一)^ 未病(5)﹁薬酒﹂で不眠解消、丈夫な体に
(二)^ 岡本千鶴﹃健康酒入門﹄保育社、1982年、144ページ等。
(三)^ 製品特長｜ツムラの薬養酒
(四)^ 青木蘭麝堂 | 創業四百余年 伝統のお酒、蘭麝酒︵滋養酒・健康酒︶の販売
(五)^ 小島醸造 ≪ 犬山観光情報
(六)^ 忍冬酒特設ページ | 浜松のこだわりのお酒とオーガニック食品の店 ﹁酒＆FOODかとう﹂
(七)^ ﹁御薬酒、若水神事﹂下鴨神社｜イベント｜京都新聞
(八)^ 伊吹百草 養老酒 - 玉泉堂酒造株式会社
(九)^ 養老酒(ようろうしゅ)とは？ 意味や使い方 - コトバンク
(十)^ 機那サフラン酒 | 新潟銘醸株式会社
(11)^ 幻の薬用酒﹁サフラン酒﹂を求めて長岡へ。創業者が財を投じた﹁日本一の鏝絵 (こてえ) 蔵﹂も必見 | 中川政七商店の読みもの
(12)^ ︻魚拓︼北多摩薬剤師会 おくすり博物館 薬用酒
関連文献
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●大谷彰﹁中国薬酒 - 種類・薬料・功効について﹂﹃日本醸造協会誌﹄第85巻第10号、日本醸造協会、1990年、690-696頁、doi:10.6013/jbrewsocjapan1988.85.690。
関連項目
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●Herbal liqueurs - 英語の薬用酒一覧︵リキュール一覧︶
●中薬 (中国医学) - 中国医学には薬草などと酒を組み合わせた薬酒︵葯酒︶と呼ばれる中国酒がある。打撲用の跌打酒のように外傷などに対応した酒もある。
●医食同源 - 中国の薬食同源思想から来た言葉。そもそも医の旧字体は醫であり、下の酉は︵酒︶の事であり、治療に酒を使ったことを意味する。
外部リンク
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●︻薬剤師が解説︼薬用酒の売れ筋ランキング上位の商品はどれ？5選を紹介 – EPARKくすりの窓口コラム｜ヘルスケア情報
●王元武, 赤堀幸男﹁薬酒の中医学的考察 (III)﹂﹃日本東洋医学雑誌﹄第41巻第4号、日本東洋医学会、1991年、241-262頁、doi:10.3937/kampomed.41.241。
●薬草に親しむ－お酒
●茅野和雄﹁薬酒と健康﹂﹃日本釀造協會雜誌﹄第71巻第9号、日本醸造協会、1976年、666-669頁、doi:10.6013/jbrewsocjapan1915.71.666。
