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こ の 記 事 に は 参 考 文 献 や 外 部 リ ン ク の 一 覧 が 含 ま れ て い ま す が 、 脚 注 に よ る 参 照 が 不 十 分 で あ る た め 、 情 報 源 が 依 然 不 明 確 で す 。 適 切 な 位 置 に 脚 注 を 追 加 し て 、 記 事 の 信 頼 性 向 上 に ご 協 力 く だ さ い 。 ︵ 2 0 2 2 年 5 月 ︶
陽子-陽子連鎖反応の概要 左上の反応では2個の陽子(赤)が反応し、陽電子(白)とニュートリノ(ν)を放出後、陽子と中性子(灰色)からなる重水素が形成される。次の反応では重水素と陽子が結合し、ガンマ線(γ)を放出してヘリウム3が生成する。最後の反応では2個のヘリウム3が結合し、陽子を2個放出してヘリウム4に至る。電子は反応に寄与しないため、省略されている。
Proton–proton II chain reaction
Proton–proton III chain reaction
陽 子 - 陽 子 連 鎖 反 応 ︵ よ う し よ う し れ ん さ は ん の う 、 p r o t o n - p r o t o n c h a i n r e a c t i o n ︶ と は 恒 星 の 内 部 で 水 素 を ヘ リ ウ ム に 変 換 す る 核 融 合 反 応 の 一 種 で あ る 。 日 本 語 で は pp チ ェ イ ン 、 pp 連 鎖 反 応 な ど と 呼 ば れ る こ と が 多 い 。 C N O サ イ ク ル と 並 ん で 、 恒 星 内 で 起 こ る 水 素 の 核 融 合 反 応 の 主 要 な 過 程 で あ り 、 太 陽 と 同 程 度 か そ れ よ り 質 量 の 小 さ い 恒 星 で の エ ネ ル ギ ー 生 成 の 大 半 を 担 っ て い る 。 こ の 反 応 で は 水 素 原 子 核 の 合 計 質 量 の 0 . 7 % が 質 量 と エ ネ ル ギ ー の 等 価 性 に よ っ て 熱 量 に 転 換 さ れ る 。 そ の た め 、 ﹁ 熱 核 融 合 反 応 ﹂ と 呼 ば れ る [ 1 ] [ 疑 問 点 – ノ ー ト ] 。
一 般 に 、 2 つ の 水 素 原 子 ︵ 陽 子 ︶ の 間 に 働 く ク ー ロ ン 力 に 打 ち 勝 っ て 核 融 合 反 応 が 起 こ る た め に は 大 き な エ ネ ル ギ ー ︵ す な わ ち 高 い 温 度 ︶ と 圧 力 ︵ 密 度 ︶ を 必 要 と す る 。 恒 星 内 部 で 陽 子 - 陽 子 連 鎖 反 応 が 完 了 す る ま で の 平 均 的 な 時 間 尺 度 は 10 9 年 の オ ー ダ ー で あ る 。 こ の よ う に 反 応 の 進 行 が ゆ っ く り と し て い る た め 、 太 陽 や 小 質 量 星 は 長 い 時 間 に わ た っ て 輝 く こ と が で き る 。
陽 子 - 陽 子 連 鎖 反 応 が 太 陽 や 他 の 恒 星 の エ ネ ル ギ ー 生 成 の 基 本 原 理 で あ る こ と は 1 9 2 0 年 代 に ア ー サ ー ・ エ デ ィ ン ト ン に よ っ て 提 唱 さ れ た 。 当 時 は 、 陽 子 が ク ー ロ ン 障 壁 を 越 え る た め に は 太 陽 の 温 度 は 低 過 ぎ る と 考 え ら れ て い た 。 後 に 量 子 力 学 が 発 展 す る と 、 陽 子 の 波 動 関 数 が ト ン ネ ル 効 果 に よ っ て ク ー ロ ン 障 壁 を 越 え る こ と で 、 古 典 力 学 の 予 言 よ り 低 い 温 度 で 陽 子 同 士 が 融 合 で き る こ と が 明 ら か と な っ た 。
こ の 反 応 の 第 1 段 階 で は 2 個 の 水 素 原 子 1 H ︵ 陽 子 ︶ が 結 合 し て 重 水 素 2 H と な り 、 1 個 の 陽 子 が 中 性 子 に 変 換 し た 結 果 と し て 陽 電 子 と ニ ュ ー ト リ ノ (
ν
{\displaystyle {\ce {\nu}}}
) が 放 出 さ れ る 。
H
1
+
H
1
⟶
H
2
+
e
+
+
ν
e
{\displaystyle {\ce {^{1}H\ +{}^{1}H\ ->{}^{2}H\ +{\mathit {e}}^{+}\ +{}\nu _{\mathit {e}}}}}
こ こ で 放 出 さ れ る ニ ュ ー ト リ ノ は 最 大 で 0 . 4 2 M eV の エ ネ ル ギ ー を 持 ち 去 る 。
こ の 第 1 段 階 は 陽 子 が 中 性 子 に 変 換 さ れ る 弱 い 相 互 作 用 に 依 存 し て い る た め 、 極 め て ゆ っ く り と 進 行 す る 。 実 際 、 陽 子 - 陽 子 連 鎖 反 応 の 中 で は こ の 段 階 が 律 速 と な っ て お り 、 太 陽 の コ ア に お け る 平 均 反 応 時 間 は 1 4 0 億 年 で あ る 。
陽 電 子 は す ぐ に 電 子 と 対 消 滅 し 、 両 者 の 質 量 エ ネ ル ギ ー は 2 個 の ガ ン マ 線 光 子 に よ っ て 運 び 去 ら れ る 。
e
+
+
e
−
⟶
2
γ
,
{\displaystyle {\ce {{\mathit {e}}^{+}\ +\ {\mathit {e}}^{-}\ ->\ 2\gamma \ ,}}}
+ 1.02 MeV
{\displaystyle {\mbox{ + 1.02 MeV}}}
ま た 、 こ の 第 1 段 階 で 作 ら れ た 重 水 素 は 別 の 水 素 原 子 と 融 合 し て ヘ リ ウ ム の 同 位 体 で あ る ヘ リ ウ ム 3 (
He
3
{\displaystyle {\ce {^3He}}}
) を 作 る 。
H
2
+
H
1
⟶
He
3
+
γ
,
{\displaystyle {\ce {^{2}H\ +{}^{1}H\ ->{}^{3}He\ +\gamma \ ,}}}
+ 5.49 MeV
{\displaystyle {\mbox{ + 5.49 MeV}}}
こ こ か ら 先 、 ヘ リ ウ ム 4 ( 4 He ) が 生 成 さ れ る 過 程 に は 3 つ の 異 な る 分 枝 ( b r a n c h ) が 存 在 し 、 そ れ ぞ れ p p 1 , p p 2 , p p 3 と 呼 ば れ て い る 。 p p 1 で は ヘ リ ウ ム 4 は 2 個 の ヘ リ ウ ム 3 原 子 核 が 融 合 す る こ と で 作 ら れ る 。 残 る 2 つ の 分 枝 で あ る p p 2 と p p 3 で は p p 1 で 作 ら れ た ヘ リ ウ ム 4 が 反 応 に 使 わ れ る が 、 反 応 途 中 で の ベ リ リ ウ ム 7 の 関 わ り 方 が 互 い に 異 な る 。 太 陽 の 内 部 で は 、 p p 1 が 8 6 % 、 p p 2 が 1 4 % 、 p p 3 が 0 . 0 1 5 % の 割 合 で 起 こ る [ 2 ] 。
He
3
+
He
3
⟶
He
4
+
H
1
+
H
1
,
{\displaystyle {\ce {^3He\ + {}^3He -> {}^4He\ + {}^1H\ + {}^1H\ ,}}}
+ 12.86 MeV
{\displaystyle {\mbox{ + 12.86 MeV}}}
pp1 分枝を通った場合、連鎖反応全体で26.7MeVのエネルギーを放出する。pp1 分枝は温度が1,000万-1,400万度の環境で優勢となる。1,000万度以下では陽子-陽子連鎖反応で 4 He が作られることはほとんどない。
He
3
+
He
4
⟶
Be
7
+
γ
{\displaystyle {\ce {^3He\ + {}^4He -> {}^7Be\ + \gamma}}}
Be
7
+
e
−
⟶
Li
7
+
ν
e
{\displaystyle {\ce {^{7}Be\ +{\mathit {e}}^{-}->{}^{7}Li\ +\nu _{\mathit {e}}}}}
Li
7
+
H
1
⟶
He
4
+
He
4
{\displaystyle {\ce {^7Li\ + {}^1H -> {}^4He\ + {}^4He}}}
pp2 分枝は温度が1,400万-2,300万度の環境で優勢となる。
7 Be(e− ,νe )7 Li* 反応で生成されるニュートリノの90%は0.861MeVのエネルギーを持ち、残りの10%は0.383MeVのエネルギーを持つ(いずれになるかはリチウム7が励起 状態にあるか基底状態 にあるかによって決まる)。
He
3
+
He
4
⟶
Be
7
+
γ
{\displaystyle {\ce {^3He\ + {}^4He -> {}^7Be\ + \gamma}}}
Be
7
+
H
1
⟶
B
8
+
γ
{\displaystyle {\ce {^7Be\ + {}^1H\ -> {}^8B\ + \gamma}}}
B
8
⟶
Be
8
+
e
+
+
ν
e
{\displaystyle {\ce {^{8}B\ \ \ ->\ \ {}^{8}Be\ +{\mathit {e}}^{+}\ +\nu _{\mathit {e}}}}}
Be
8
⟷
He
4
+
He
4
{\displaystyle {\ce {^{8}Be\ \ \ <->\ {}^{4}He\ +{}^{4}He}}}
pp3 分枝は温度が2,300万度以上の環境で優勢となる。
太陽のコアの温度はあまり高くないため、pp3 分枝は太陽の主要なエネルギー源ではないが、この pp3 分枝ではホウ素8 がベリリウム8 に変換する過程で最もエネルギーの高い (≤14.06 MeV) ニュートリノを発生する。このためこのニュートリノは太陽ニュートリノ の検出実験において重要な役割を果たす。
ごく稀に、ヘリウム3が陽子と直接融合してヘリウム4を生成する反応も起こりうる。この過程を pp4 分枝あるいは Hep 分枝と呼ぶ場合もある。この反応の確率は約10-5 程度と非常に小さい。
He
3
+
H
1
⟶
He
4
+
ν
e
+
e
+
{\displaystyle {\ce {^{3}He\ +{}^{1}H\ ->\ {}^{4}He\ +\nu _{\mathit {e}}\ +{\mathit {e}}^{+}}}}
この連鎖反応で最終的に作られるヘリウム4原子核の質量を陽子4個の質量と比べると、元々陽子が持っていた質量の約0.7%が失われていることが分かる。この質量はエネルギーに変換され、個々の反応の過程でガンマ線とニュートリノの形で放出されている。
こうして生成されたエネルギーのうち、ガンマ線として放出されたエネルギーだけが電子や陽子と相互作用をして太陽内部を加熱する。この熱エネルギーによるガスの熱運動 が自己重力による収縮 に拮抗し、太陽の形が保たれている。一方、この反応で放出されるニュートリノは物質とほとんど相互作用をしないため、太陽を重力収縮に抗して支える役割には寄与しない。
反応の第1段階で2個の陽子から重水素が作られる際に、上記の通常の反応(pp 反応)の代わりにより確率の小さい pep (proton-electron-proton) 反応が起こる場合がある。
H
1
+
e
−
+
H
1
⟶
H
2
+
ν
e
{\displaystyle {\ce {^{1}H\ +{\mathit {e}}^{-}+{}^{1}H\ ->\ {}^{2}H\ +\ \nu _{\mathit {e}}}}}
太陽では pep 反応が起こる確率は pp 反応の約 1/400 である[2] 。しかし pep 反応で放出されるニュートリノはかなりエネルギーが高い。太陽ニュートリノのエネルギースペクトル を観測すると、pp 反応のニュートリノが0.42MeV以下のエネルギーを持つのに対して、pep 反応で生成されるニュートリノは1.44MeVの鋭いピークを持つ。
^ 尾崎、第2章太陽と太陽系、2.1太陽 2.1.4太陽のエネルギー源 p20 - 21
^ a b 尾崎、第2章太陽と太陽系、2.1太陽 2.1.5太陽ニュートリノの謎 p21 - 33