16世紀、カリブ海域を征服したスペインは、アフリカ大陸から黒人奴隷を連行、この地におけるプランテーション︵単一作物の大規模農園︶の労働力として使役し始めた。 その後、オランダ・イギリス・フランスなどが参入し、多くの黒人たちが南北アメリカに連れてこられた。 そして奴隷制度の是非も争われた、1861年からの南北戦争。その最中にリンカーンが奴隷解放宣言を発し、まもなく、アメリカ合衆国での奴隷制度が廃止された。 しかし、それでもなお、黒人に対する差別は解消されず、いま再び大きな問題になっている。 黒人差別はなぜ生まれたのか。この問題は、なぜいつまでも解決しないのか。その歴史を﹃アメリカ黒人の歴史 奴隷貿易からオバマ大統領まで﹄の著者である横浜市立大学名誉教授の上杉忍氏が伝える。 世界でも際立つアメリカの差別意識が根付いてしまった根本原因 ミネアポリスの黒人ジョージ・フロイド氏が、白人警官に首を圧迫