ブックマーク / note.com/nyake (2)
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﹃セクシー田中さん﹄についての報告書が先日公開された。それについて色々と思うことがあったので、ちょっと今日は﹃セクシー田中さん﹄という作品そのものについて書いてみたい。 1.﹃セクシー田中さん﹄とはどういう物語なのか私が報告書を読んでもっともショックだったのは、薄々そんな気はしていたのだが、たぶんあの場にいた関係者のなかで、芦原先生以外誰ひとり﹁﹃セクシー田中さん﹄とはどういう物語なのか﹂ということを言語化していなさそうなことであった。 そもそも﹃セクシー田中さん﹄とは、どういう物語なのか。 主人公の派遣社員として働く朱里は、会社の地味で﹁AI﹂などと呼ばれる謎の正社員である田中さんが、実は私生活ではベリーダンスの名手であるという秘密を知る。朱里は田中さんと交流するうちに、自分の恋愛や仕事の価値観を見つめ直していく。 ーーというあらすじなのだが、このプロットを平凡な作家が書いたら、単純な、
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この一週間は、芦原先生の件が心にずっとのしかかっていて、普通に生活しているのだけど、それでもふとした瞬間に心がぐしゅっと潰されそうだった。それはもう、自分が芦原先生のファンだったからだ。読者だったからだ。それになにより、私は芦原先生のことを信頼していた。ずっと。好きな作家のなかでも、信頼できる作家というのは一握りだ。だからこそ、とても悲しい。﹃セクシー田中さん﹄は本当にずっと素晴らしい漫画で、こんなふうに世間に広まるべきではなかったのに、という気持ちもある︵それは読者の傲慢だとも思う︶。でも私にとって何も言わずに通り過ぎることはやっぱり難しいから、少し思うことを書いてみたい。 私は普段、作品を評する側でもあり、作品を世に出す側でもある。評論の本なんて自分がいちからつくった創作物ではないだろうと言う人もいるかもしれないが、私にとって書いたものを世に出すことは︵それが何かに依った解釈であったと
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