昨年来の新型コロナウイルスの影響で、女性の貧困が改めて注目されている。11日で発生から10年がたった東日本大震災の被災地でも、女性の困難は続く。沖縄の基地の町で育ち、若年貧困女性の調査・支援を続ける上間陽子琉球大教授︵教育学︶と、三陸出身で<東北>史を研究する山内明美宮城教育大准教授︵歴史社会学︶。お二人に、自身の生い立ちを含め地方の女性が直面する現実などについてオンラインで対談してもらった。︻構成・鈴木英生︼ ――お二人の、特に大学進学に至るまでの過程には、地方の女性が地元から離れるある種の典型が、個別に刻まれていると思います。 上間 米軍嘉手納基地の門前町、沖縄市︵旧コザ市︶で育ちました。私は沖縄の本土復帰の年の生まれですが、当時は、歓楽街に黒人街と白人街があって、互いが相手の街に迷い込んだらリンチされたそうです。性産業も身近なとこ…