﹁“悲願”が国鉄動かす﹂。リニア中央新幹線の京都ルート誘致を目指す京都市の門川大作市長が、今も持ち歩く地元紙の記事がある。日付は昭和39︵1964︶年8月。東海道新幹線着工当時、計画になかった京都駅を、市や経済界の陳情で実現させたという内容だ。﹁やればできる。道理に基づき世論を高め、全国的な議論をしたい。勝負はこれから﹂。リニア誘致に向けそう意気込む門川市長。しかし﹁本命﹂であり﹁ライバル﹂の奈良の関係者はもとより、建設主体のJR東海も、国も、つれない態度を崩さない。今さらお呼びでないようにもみえる京都だが、それでも食い下がる理由とは。経済効果は﹁倍﹂! 幸せな“府市合わせ”運動 ﹁JR京都駅ルートの場合、経済波及効果は奈良市付近の2倍近い810億円にのぼる﹂ 3月12日、リニアについての試算を公表した京都市の担当者は、誇らしげに胸をはった。 門川市長は﹁府市が一丸となり、リニア誘致に取り