<昨今のいわゆるウォーキズム︵日本の文脈に合わせると意識高い系とでも訳すべきか︶へのカウンターとして﹁贅沢品としての信念﹂︵luxury beliefs︶という概念が話題だ。ようやく米国の右派が、左派と勝負できるだけのナラティヴを手に入れつつある......> 米国で﹁贅沢品としての信念﹂︵luxury beliefs︶という概念が話題になっている。元は2019年ごろににちょっと話題になったらしいのだが、私は見逃していた。それが提唱者のロブ・ヘンダーソンが最近自伝﹁Troubled﹂を出したこともあって見直され、昨今のいわゆるウォーキズム︵日本の文脈に合わせると意識高い系とでも訳すべきか︶へのカウンターとして持ち出されているようだ。 ヘンダーソンの顔を見ると分かると思うが、ヘンダーソンという欧米系の姓の印象に反して、彼はアジア系米国人である。彼の母親は韓国からカリフォルニアに渡り、大学を中