ブックマーク / kakuyomu.jp (4)
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RTA︵リアルタイムアタック︶――それはひたすら﹁速く﹂クリアすることに懸けるゲームプレイスタイルの一種である。 時に理不尽なNPCに出会い、時に予期せぬ操作ミスに嘆き……数百、数千と己をいじめ抜くような研鑽の末にコンマ一秒を争う戦いに挑む者たちのことを、人は敬意の眼差しを向けてこう呼ぶ。 ……﹁走者﹂と。 *** はい、どうもー。 今日はかの有名作品﹃走れメロス﹄のRTAに挑戦していきたいと思います。 ご存知の方も多いかと思いますが、初見の方のためにも軽く作品の紹介をしていきますね。 本作は太宰治によって書かれた短編小説で、人間不信の暴虐な王に処刑されそうになったメロスが、妹の結婚式に出席するために友のセリヌンティウスを人質にして刻限までに処刑場に戻ってくることを約束し、約束を果たして王を改心させるというお話です。 セリヌンティウスからしたら﹁なんで自分が人質に?﹂って話ですけどね。 プ
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僕かと学会をやめようと決心したある事件がある。 その頃、と学会の例会はある駅の5階か6階︵もう記憶か曖昧だ︶にあった。そこまで上るのはもちろんエレベーター。ちょうど季節は2012年の春。窓の外には完成が近づいた東京スカイツリーがよく見えた。僕はその日、一人のと学会会員といっしょにエレベーターにのった。 ﹁もうじき完成てすね、スカイツリー﹂ するとその若者はこう言ったのだ。 ﹁最初にスカイツリーを壊しに来るのはどんな怪獣なんでしょうね?﹂ 僕は息が止まるほどのショックを受けた。 スカイツリーを壊しに来る怪獣? そんなもの決まっている。怪獣6号ゼロケルビンだ。チルソギーニャ遊星人に操られて東京に襲来、スカイツリーの上でヒメと激戦を繰り広げるのだ……。 そう、﹃MM9﹄の続編﹃invasion﹄。僕はそれを2011年に描いた。スカイツリー完成の前の年だ。当然、僕の読者なら知っているはずだ。 僕は
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大切なことをこれまで書いていなかった事を思い出した。と学会のことである。 正直にぶちまけてしまうが、僕は会長になんかなりたくなかった。最初に会を発足すとの話し合いの日に、﹁じゃあ、山本さん会長ね﹂と強引に押しつけられただけである。゛ 最初のころは抜群に面白かった。向かうところ敵なしという感じで、いくらでも楽しい文章を書きまくった。 それに影がさしたのは唐沢俊一氏の無断盗用事件である。唐沢氏が書いた文章が他の人の文章とまったく同じであることが発覚したのだ。 最初のうち、僕は唐沢氏に好意的であった。唐沢氏はたくさんの文章を書きまくっている人だ。たぶん原稿を書いているうち、自分が書いた原稿を忘れてしまい、他の人が書いた原稿とごっちゃになってしまったのだろう。 だけど、こんな事件をと学会の会長として見過ごすわけにいかない。僕は会長としての権限を初めて行使して、唐沢氏のと学会員としての活動を一年間休
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﹁田中はやめたほうがいいです﹂ 編集のO田川氏は開口一番にそう言った。都内某所の喫茶店で﹁魔法少女探偵アガサちゃん﹂の次話ネームを見せていた時だった。 ﹁月刊少年ボウイ﹂のO田川氏はもう5年も僕の漫画を担当していて、それなりの信頼関係ができている。社交辞令的な褒め言葉は省いて単刀直入に打ち合わせを進めよう、というのが暗黙の了解だ。最近はネームを見せる前からO田川氏が不満を言いそうな点が予想できてしまうので、何を言われても大したダメージはない。だが、今回は一瞬コメントの意味がわからなかった。 ﹁は? 田中?﹂ ﹁この容疑者の女性、ホラ、田中久美恵さんって書いてるですか。名前、変えたほうがいいです﹂ ﹁……ああ、それですね﹂ ﹁魔法少女探偵アガサちゃん﹂は、コミカルな女子中学生が魔法で事件を解決するミステリ漫画。今回は温泉回だ。露天風呂で宿泊客の遺体が発見され、警察は火山ガスによる事故だと判断
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