﹁クラスター対策﹂の登場 日本政府は、新型コロナ肺炎対策として﹁クラスター対策﹂を打ち出している。 患者の集団発生︵クラスター︶の場所を日本地図にマップして公表しているのがそれだ。 感染症の対策といえば、治療に利用できる薬物の研究開発、予防に役立つワクチンの研究開発、それに感染の広がりを押さえ込む公衆衛生的対策の三本柱だ。 いま世界を席巻している新型コロナ肺炎COVID-19のように、薬剤もワクチンも存在しない段階では、公衆衛生的な対策が感染症コントロールの中心となる。 その中身は、個人レベル︵手洗いや咳エチケットやマスク︶、環境レベル︵部屋の換気や周囲の消毒︶、社会レベル︵社会距離を広げる、旅行や移動を減らす︶である。 ここでの﹁社会距離﹂というのは公衆衛生で使う医学用語で、感染者と非感染者の間に障壁や距離を作ることで感染を防ぐことだ。