「インド発世界金融危機が迫る?」。中国を抜いて人口世界一になったインドの経済を牽引する巨大新興財閥が、「不正会計疑惑」で揺れている。 ことは通貨ルピーや株価の下落にとどまらない。かねてよりモディ首相との「癒着」が取りざたされ、経済拡大路線を進むモディ政権のインフレ整備やエネルギー分野を担ってきたコングロマリット財閥のスキャンダルだったからだ。 政局問題に加え、実体経済の後退、金融システム不安のリスクも懸念される。エコノミストの分析を読み解くと――。 誘拐や同時多発テロにも生き残った、タフな創業者アダニ氏 報道をまとめると、渦中にあるのはインドの巨大新興財閥アダニ・グループ。創業者のゴータム・アダニ氏(60)は、大学の学位を持たず、ほぼ裸一貫から昨年(2022年)のブルームバーグ・ビリオネア(資産10億ドル以上)ランキングで世界2位にのし上がった大富豪だ。 1988年頃に父親から小さな貿易会
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