世界の権力者が寵愛した銀行 タックスヘイブンの秘密を暴露した行員の告白 著者:エルヴェ・ファルチャーニ 出版社:講談社 ジャンル:金融・通貨 「事実は小説より奇なり」とは、まさに本書のことを指すのか。これは、世界最大級の銀行HSBCから、約13万人分の機密顧客リストを引き出した元行員の物語だ。各国政府によるHSBCへの訴追、巨額罰金へとつながり、スイスの銀行の守秘性に大打撃を与えた。 それにしてもなぜ、著者は巨大銀行への挑戦を決意したのか。彼はモンテカルロで育ち、銀行員の父を通して銀行とは何か知る。カジノ勤務で資金洗浄の実態を知り、資金監視の重要性を痛感した。請われてHSBCで働き始め、行内の情報システム構築に携わった彼は、「何のために」という問いに直面する。 銀行の中を、巨額の「汚れた金」が通ってタックスヘイブンへ向かう。堅牢な情報システムで監視すればこれほど有効な道具はない。だが正直な
ミツバチのキス 1 [作]伊図透[掲載]2009年2月15日[評者]山脇麻生 触れるだけで、その人の意識にのぼるあらゆるものと無意識下に潜む膨大なイメージが、整理されていない状態でドッと流れ込み、結果、未来まで見えてしまう。そんな望まぬ能力のため家族は崩壊、居場所を求めて入信した新興宗教にも利用されてしまう少女・慧(けい)。特異能力を持つ者の孤独と、その能力を巡り、渦巻く陰謀と思惑を描いた本作は、漫画アクション新人賞出身の著者による連載第1作。新人とは思えぬ画力と構成力に加え、随所にちりばめられた心に響くネームのセンスにも要注目だ。 宗教団体の施設から逃走、地方に潜伏し、工員として働く慧。他人に期待することをあきらめ、それでも誰かを信じずにいられない複雑なマインドを抱えた彼女の前に、その能力を諜報(ちょうほう)活動の切り札として取り込もうと画策する国家機関の影が忍び寄る。そのひとり、駿河は
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