物理学と工学の知識を駆使した大気の観測研究に取り組んで約40年。即時的な測定が難しかった大気中の水蒸気の量を計る手法を確立し、気象予報の精度向上などに貢献してきた。受章について「先代の学者たちの知識の蓄積。私だけの功績ではない。今後は科学の発展の下支えをして、恩返ししたい」と語る。 開発に携わった測定施設の一つは、滋賀県甲賀市信楽町神山の山あいにある。昭和59年に完成した「MUレーダー」だ。アンテナから電波を飛ばし、大気中の水蒸気などではねかえる反応から、風速や気温を解析する。気象学をはじめとした分野に利用されている。 生まれは三重県尾鷲市。「天文少年だった」といい、望遠鏡を背負って山や谷から月を見た夜も数え切れない。高校生のときにアポロ11号が月面着陸を果たしたことも宇宙や大気への興味を助長し、京大工学部の電子工学科に入学。以来、研究一筋の人生だ。 昭和52年、大気圏に突入する流星が消滅
年周地殻変動と積雪荷重 国立天文台地球回転研究系 日置 幸介 国土地理院による汎地球測位システム(GPS)の連続観測網GEONETは,わが国の地殻変動の様々な姿を明らかにしてきました.これらGPS観測点の座標には,静かに進行する地震間地殻変動に加え,振幅数mmの明瞭な季節変化成分がしばしば見られます.これらの季節変動成分の位相が全国的に揃っており,かつ振幅が系統的に分布することがMurakami and Miyazaki(2001)によって見出されました.彼らは石川県の小松(図1)を固定し,季節変動成分の向きが島弧の走向に直交し(つまり海溝でのプレート収束方向に一致),かつその振幅が地震間変動の大きさに比例していることを示しました.これは海溝で沈み込むプレートの速度,あるいは境界でのプレートの結合が季節変化しているという驚くべき可能性を示唆します.これはわが国における地震発生の季節性との関
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く