﹁会議﹂は、退屈で非生産的。たいていはそうでしょう。長々と時間をかけたわりに、上層部の意向に沿った予定調和的な結論になったりするのは当たり前。その後に議事録が回覧されると、各部署から修正の指示が噴出して、﹁会議での決定事項﹂と﹁議事録﹂という2つの別の結論ができあがり、その後の実行力が弱くなることまであります。 かつて官僚体質と批判され業績不振だった頃の日産もそうだったかもしれません。 同社の体質はカルロス・ゴーン氏が社長に就任したのを契機に、変貌を遂げます。ゴーン氏がリストラや合理化など大胆な改革をしたことは有名ですが、﹁会議の方法﹂の開発を指示していたことまではあまり知られていません。 現在ではすっかり社内に浸透した﹁V-up ﹂と呼ばれる日産式の会議には、独自の方法があります。そのひとつが﹁議事録をつくらない﹂です。 では、会議をどう進めるのか。まず、模造紙数枚と大量の付箋紙