いわゆる﹁お役所仕事﹂のことを英語では﹁Red Tape﹂という。そういう言葉があるくらいだから、当然役所の手続きというのはアメリカでもご多分にもれず手強い。アメリカに移り住むにあたって、様々なお役所のお役人と格闘してきたが、﹁最強の相手は誰だったか?﹂と聞かれたら、迷わず税務署︵IRS︶と答える。またまた与太話だが、どのくらい手強かったかを紹介してみたい。 ﹁一回しか言わないからよく聞けよ﹂ アメリカのお役所の待合室というのは人種の坩堝だ。白人、黒人、ヒスパニック系、アジア系と本当に色々な人がいる。アメリカの全人口3億人に対して、外国人人口が4千万人ほどいるというのだから、それもうなずける。言語の壁がある人が少なくないのだから、お役所で何か案内する時にゆっくり、はっきり話してくれると有り難いのだが、残念ながらそんな容赦はない。その代わり、係の人がきて注意事項などを待合室で連絡する際は、必