2019年、日本の囲碁界は“史上初”の連続だった。4月に仲邑菫︵なかむらすみれ︶初段が10歳で最年少プロになると、9月には17歳の上野愛咲美︵あさみ︶女流棋聖が、全棋士が参加する一般棋戦で女性初の準優勝を達成。10月には芝野虎丸八段が史上最年少の19歳で7大タイトルを獲得するなど、若手棋士の活躍が目立った︵いずれも当時の年齢・称号︶。 なぜ、若手棋士の快進撃が続いているのか。それには、近年進化が目覚ましい囲碁AIが関係しているという。囲碁AIに詳しい大橋拓文六段は、﹁若手棋士はAIを使った研究や検討を当たり前に行っています。もともとの実力もありますが、AIの使い方がとてもうまいんです﹂と話す。 もちろん囲碁AIを使っているのは若手棋士だけではないが、年代によってAIとの関わり方は異なるようだ。大橋さんは﹁僕らの世代︵35歳︶以上は、AIを使う人と全く使わない人ではっきり分かれている印象で