日本IBM周辺でトラブルが続出している。IBMの下請けとしてサブシステムの開発に携わっていたソフトウェア企業が4億円近い負債を抱え、2008年10月中にも破産手続きに入る。同社は、IBMから追加費用の支払いが行われていなかったと主張して訴訟準備に入っていたという。ほかにも、スルガ銀行やソフト開発会社など、IBMを相手取った訴訟も続発しているのだ。 この訴訟続発を問題のように受け止めている人も多いようだけど、IBM自身にとっては、そんなに問題じゃないと思う。ユーザーの発注が確定しなくてもその先の作業を進めるために下請けに先行発注したりすることがなくなったり、不採算案件は最初からやらない、あるいは早期に手を引くことが、徹底されたからだと思うから。 これまで、日本的な空気を読むビジネスから、アメリカ的な白黒はっきりな契約ベースになったということなので、一方的に悪いことではない。 でも、契約を交わ
Railsが成功し、EJB3が失敗したわけは、イノベーションへの解にでてくる「独自仕様の製品アーキテクチャ」と「モジュール方式のオープンな業界標準」の考え方で、うまく説明できるように思えます。 ただし、この手の話は、理論にあうように現実を説明しているところがあるので、あくまでも、1つの可能性として聞いてください。 ここでの重要な考え方は、「顧客のニーズ」と「製品の性能」の力関係です。 「顧客のニーズ」が「製品の性能」を超えている場合は、顧客は、製品の性能向上に価値を認め、お金を払います。このときに企業として、成功しやすいソリューションは、「最適化された独自アーキテクチャ」で望むことです。性能を向上させるためには、独自アーキテクチャのほうが、いろいろ工夫ができるためです。 「製品の性能」が「顧客のニーズ」を超えている場合は、顧客は、製品の性能向上に価値をあまり認めません。既に、製品の性能に満
ドメインモデルに対する日米の温度差 ひさびさにみたなぁ、この話題と思いつつ、コメントします。 昔書いた自分の記事をすべて読み返したわけではありませんが、どこにもトランザクションスクリプトが良いと書いたことはないはず。 この話題に関する問題の根源は、ファウラーが トランザクションスクリプトは、単純だから単純なシステムには向いている。でも、複雑な問題を扱うには、真のオブジェクト指向であるドメインモデルを使ったほうが良い。としたところにあると思います。これが、そもそもおかしい。複雑なシステムを扱うには、ドメインモデルのほうが向いているというのは根拠がない。データと振る舞いを一つにまとめることがオブジェクト指向というのも単純すぎる。 別にオブジェクト指向はこうあるべきなんていまさら議論するつもりはありませんが、私の中でのオブジェクト指向は、「それぞれのオブジェクトがきちんと割り当てられた責任を果た
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