春の終わりに書いてから更新が止まっていたけれど、結果的にはこれといった生活の制限もなく普通に暮らしている。 結果的に、というのはその間に検査があり、手術があり、化学療法での試行錯誤がありと心労はひとかたならぬものがあったということなのだけれど、何はともあれ食事の制限も生活の制限もなく、面倒を見る子供や老人もおらず、さまざまな助けによって経済的にも何とかやっていけるのだから、贅沢な悩みなのではないかと内心後ろめたいような気持ちになることもある。 そうはいってもスキルス胃がんは治療法がなく、命にかかわる慢性病であることは変わりない。たった一人の夫が明日をも知れぬ身だという事実はわたしには落ち着いて物事を考えられなくなる程度には重い。 経済的には何の心配もなく、妻と子供に囲まれ、情報にも人脈にも恵まれ、後世に残る大きな仕事を成し遂げていたスティーブ・ジョブズと彼を囲む人々だって告知されてからの日