ブックマーク / number.bunshun.jp (2)
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﹁野球をやっていたことを知らない人が9割なので﹂ まだ桜がつぼみのまま閉じこもろうとしていた3月中旬、神戸の生田神社の近くにあるカフェで、ある翻訳家と話す機会があった。じっくりと向き合うのは久しぶりだった。あの頃をどのように過ごし、いまをどのように生きているのか……。彼と別れてから、ボイスレコーダーを聞き直した。ふと脳裏をよぎったのは、かつて読んだ本の一節だった。 ︽人間はひとりひとりがそれぞれじぶんの時間をもっている。そしてこの時間は、ほんとうにじぶんのものであるあいだだけ、生きた時間でいられるのだよ。︾︵ミヒャエル・エンデ﹃モモ﹄岩波少年文庫、大島かおり訳︶ 翻訳家の朝は早い。彼とLINEでやり取りする時、メッセージが届くのはいつも午前4時である。海外と業務の打ち合わせをするために早起きするのだという。世の中が寝静まっている夜明け前に動きだすようになってから、ずいぶんの時が経つが、この
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美少年が生息する世界は、非合理の城壁に守られた秘境である――。 あるひとりの写真家が、イートン校の美少年、ドイツ軍の美兵士、近代五種の美選手……などをモチーフとし、写真という二者間の閉じられたダンスに長年夢中になっていました。 ﹁美少年﹂というキーワードで世界を探訪し続けてきた写真家・大串祥子氏。氏の最新作品のテーマが﹁少林寺﹂。 Number Webでは、その厳しくも美しい少林寺における武道の世界を見事に写しきった大串祥子氏の個展を記念し、特別にそのレポートを公開することにしました。 “三顧の礼”で待望の撮影許可。いざ、夢の少林寺へ! 2010年9月。撮影許可申請の最初のコンタクトは、友人の紹介による共産党ルートであった。河南省政府の偉い人は、当時、一切中国語を話せなかった我︵大串氏の1人称。以下同様︶を丁寧にアテンドして下さった上、食事、ホテルの手配、少林寺をはじめとするあらゆる施設の
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