新たな「意味」を与えられた怪獣たち ゴジラとはどういう存在なのかという問いかけも、ここでは比較的直接的に語られていく。本シリーズのゴジラは、2万年の歳月をかけ地球の環境と同一化しており、それはすでに「ゴジラ・アース」なる、地球そのものといえる存在にまでなっていた。第1作の時点では、環境を破壊してきた人類への痛烈な「しっぺ返し」が、ゴジラ・アースという自然と一体になったゴジラによって強調されている。 第2作『決戦機動増殖都市』では、さらに複雑な設定の「メカゴジラ」が登場する。ここでのメカゴジラは、意志を持って周囲の物体を吸収しながら成長し続ける、金属生命体のかたちづくる都市「メカゴジラシティ」として描かれる。人類に協力してきた異星人種「ビルサルド」たちは、自ら金属に吸収され、人としての肉体を放棄してメカゴジラシティと同一の存在になることでゴジラを凌駕しようとする。 「ゴジラ・アース」、「メカ
宮崎駿監督の長編引退宣言、そしてスタジオジブリ製作部門の休業によって、国民的なヒットメイカー不在の危惧がささやかれていた、日本の劇場アニメーション。2016年から2017年にかけ、思いもよらないところから奇跡的な大ヒットを達成する作品が生まれた。 ひとつは『君の名は。』である。若い世代の観客を中心に一大ムーヴメントを起こし、急速に映画館が増え続けている中国などで、日本映画興行収入の新記録を打ち立て、世界の興行収入の累計で宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』を抜き、日本映画最大のヒット作とまでなった。 もうひとつは、『この世界の片隅に』だ。全国63館という公開規模から、熱狂的支持を得て口コミ、SNSなどによって公開館数を増やし、累計で200館以上にまで達するという偉業を達成、観客数はついに100万人を突破した。興行収入は10億円を突破、300億超えの『君の名は。』の規模とは比べにくいが、当初の状
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