﹁戦争と私﹂ 野村 和子︵のむら かずこ︶ 中国との戦争支那事変が始まって、大東亜戦争が昭和16年12月8日に起こり、真珠湾攻撃から順に勝ち戦と思っていたら昭和20年8月15日の終戦となり、惨めな日本の生活が始まり、現在の平和な日が来ました。小学校から女学校まで戦争体験者となりました。最初は南京陥落など、勝ち戦の時は提灯行列、旗行列に兄と手を繋ぎ宮城まで歩きました。高松宮様、三笠宮様がお立台に立たれ、国民と共に万歳を叫んだ事が思い出されます。その頃花電車が美しく電球の光に飾られ、夜の銀座の路線を眩しいほど鮮やかに、そしてゆっくり走って行きました。車庫は青山、新宿でした。みんな手をたたき喜びました。 昭和17年4月20日頃、B29の米軍機1機がネズミ色の大型機で、突然空襲警報が鳴る前に飛んできたのです。本土へ入ってから空襲警報が鳴ったのです。私は銀座へお使いに行くバスの中から築地本願寺上空を
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