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都知事選
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"bedlam"という英単語がある。 リーダーズ英和辞典によれば、意味は「気違い沙汰、騒々しい混乱の場所」。Infoseek英語版で調べるとこの単語を使ったページが山ほどヒット。BEDLAM A GO GOなんていうページもあったし、そのものずばりBEDLAMというアクションゲームもあるらしいなあ。 でもねえ、この単語、ほんとは"Bethlehem"がなまったものなのだ。つまりベツレヘム。キリストが生まれた場所ですね。 それがなんでまた「気違い沙汰」なんて意味になったかというと、それはロンドンにあった「ベツレヘム聖マリア慈善病院」という病院に由来する。この病院は、もともとは1247年にロンドンのビショップスゲイトに作られた修道院だったのだが、15世紀初頭には精神病患者を収容するようになった。つまり、これこそ世界初の精神病院のひとつ、そしてその通称が"Bedlam"=べドラムだったというわけ
最近の日記 2010-09-28 [Tue] 1. 行ってみたい世界の精神病院さらに10選+1 2010-09-25 [Sat] 1. 行ってみたい世界の精神病院10選 2010-09-21 [Tue] 1. リトアニアの精神病院がえらくかっこいい件 2010-09-19 [Sun] 1. 各国の旧KGB本部 2010-09-18 [Sat] 1. リトアニアの十字架の丘 2010-09-14 [Tue] 1. エストニアの萌え寿司バー 2010-09-13 [Mon] 1. スターリンのバースデーケーキ 2010-09-12 [Sun] 1. リーガのアールヌーヴォー建築群 2010-07-16 [Fri] 1. twitter 2009-12-10 [Thu] 1. 続・日米表紙対決 最近のコメント ▼ 「天国のスプーンと地獄のスプーン」の出典 前回の「ドラッカーの95歳の詩」の例のよ
5月31日(月) きのうの「羊はミユキ」の歌については早速掲示板やメールでいくつもの情報を頂きました。私は全然知らなかったのだが、どうやらこれは全国的に流れていた歌のようで、「御幸毛織」という会社のCMソング。日本テレビ系で日曜朝に放映されていた「ミユキ野球教室」のオープニングで流れていたものらしい。野球にはまったく興味のない妻はあくまで日曜朝のアニメの後の番組で流れていた曲、と認識していたようだが。 ミユキ、ミユキ、服地はミユキ 紳士だったら知っている 服地はミユキと知っている ミユキ(ミユキテックス)、ミユキ(ファンシーテックス) ミユキ、ミユキ、服地はミユキ というのが正しい歌詞のようだ。御幸毛織は今もまだある会社で、どうやらオーダー用の素材としての名声を欲しいままにしてきたメーカーらしい(できれば「欲しいまま」は「恣」と書いてほしかったな)。しかしなぜ紳士服地メーカーが子供向けの野
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猟奇的な殺人事件の犯人が捕まったりすると(特にそれが少年だったりすると)、ニュースや新聞ではよく「心の闇」という言葉が使われるものである。よく考えてみれば、そんな言葉で表現したところで何も言っていないも同然だし、心に闇のない人間がいたらお目にかかってみたいものである(闇なんかないという人がいたらそっちのほうがよっぽど不気味だ)。要するに、何を考えているのかさっぱりわからなくて不気味だ、ということをかっこつけて言ったにすぎないのだろう。 朝日新聞の見出しデータベースで調べてみたところ、「心の闇」が初めて見出しに登場したのは、1997年6月30日の特集記事「14歳『心の闇』」から。6月30日は、神戸の連続児童殺傷事件の犯人が逮捕された翌日で、それ以前には一度として「心の闇」という言葉は見出しには使われていない。どうやら、「心の闇」という言葉は、朝日新聞の特集記事のタイトルから一般化していった、
身の回りにいるさまざまな人物が、すべてある特定の人物の変装である、という妄想のことを「フレゴリの錯覚」(なぜか歴史的に「錯覚」という名前がついているが、実際は「妄想」である)と呼ぶ。1927年にP.CourbonとG.Failが最初に報告したものだ。 最初の例は27歳の独身女性の分裂病患者で、貧しい労働者の娘だったが、男たちの下品さを毛嫌いし、女性の精神の高潔さを誇りにしていたという。彼女は大の芝居好きで、劇場に通ううち、サラ・ベルナール(ミュシャのポスターでも有名な当時の大女優である)とロベーヌ(こっちは無名の女優)というふたりの女優と不思議な愛の交流を行うようになる。彼女たちが通行人や近所の人など、さまざまな人物に変装して自分を追いかけ、自分の考えをさしおさえて別な行動(たとえば自慰)をとらせる、というのである。患者自身の言葉によれば、「女優というものは、自分を簡単にフレゴリのようにす
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▼ リトアニアの十字架の丘 リトアニアの首都ヴィリニュスから車で3時間、シャウレイという町の郊外約12キロというたいへん交通の不便な場所に、奇妙な名所があります。 周囲は人家も何もないまったくの平原。そこにほんのちょっと突き出た丘というか塚のような場所に、無数の十字架が立てられているのです。 駐車場の方から見た風景。 その数は少なくとも10万以上。1990年には推定5万5千本だったそうなので、その後20年でほぼ倍に増えたことになります。 なぜこんな不便な場所にあるのか。なぜここじゃなきゃいけないのか。まったくわからない。思えばたいへん奇妙な場所なのだけれど、この丘は、ロシア、ポーランド、ナチスドイツ、ソ連と、常に周辺の大国に翻弄され多くの犠牲者を出してきたリトアニア人の聖地であり祈りの場所なのだそうです。 ソ連時代にはここの十字架は少なくとも3回にわたってブルドーザーでなぎ倒され、焼き払わ
▼ エストニアの萌え寿司バー エストニアの首都タリンで行ってみたかった場所がひとつ。まずは下の動画を見てください。 これは何かというと、タリンにある寿司バーSUSHI CATの宣伝動画なのです。何か日本文化を勘違いしているような気もするけれども、日本からはるかに遠い、わずか人口130万人のエストニアにこんな寿司屋があるのは驚きです。 公式サイトの、何か間違っていつつも妙に凝った作り込みも見逃せない。なぜ「鬼の居ぬ間に洗濯」。そしてSCHOOL CATっていったい何。 SUSHI CATさんの動画はYouTubeにいくつかあるんですが、そのなかでも力作が下の動画。中世そのままの美しいタリンの旧市街を、メイド服のSUSHI CAT店員が練り歩き、ハレ晴レダンスを踊るというもの(ほかにも、ロッテのFit'sダンスを店員が踊るという動画も)。 というわけで、エストニアをいろいろ検索しているうちにた
進行麻痺(麻痺性痴呆ともいう)という病気をご存知だろうか。 今ではほとんど忘れられているが、19世紀に爆発的に増加し、わずか数十年前までは全世界で猛威をふるっていた病気で、1910年代のドイツでは精神病院の入院患者の10~20パーセントを占めていたという。主として中年の男性がかかる病気で、痴呆症状を示すとともに手足が痙攣、体が麻痺していき、ついには人格が完全に崩壊して死亡する。ほおっておけば発症後約3年で死に至る恐ろしい病気である。 当初はまったく原因不明の謎の病気だったのだが、19世紀半ばになると、患者にはある共通点があることがわかってきた。患者はみな10~20年前に梅毒にかかったことがあったのである。実はこの進行麻痺の正体は、長い年月、体内に潜伏していた梅毒スピロヘータが脳を侵して発症する慢性脳炎。ちなみに、1913年、進行麻痺の患者の髄液を培養して梅毒スピロヘータを確認したのは、かの
ロバート・D・ヘア『診断名サイコパス』(ハヤカワ文庫NF)読了。自己中心的で罪悪感や共感能力を著しく欠いたサイコパスと呼ばれる人々を豊富な実例をあげて論じた本。こういう本が出るとはさすが北米。日本の精神医学界ではとても考えられない本である。 「私家版・精神医学用語辞典」の精神病質(サイコパス)の項目でも書いたが、現在の精神医学界では「精神病質(サイコパス)」という用語は使われていない。特に日本では、この用語は一種のタブーといってもいい扱いを受けているのである。 もとはといえば「その人格の異常性に自ら悩むか、またはその異常性のために社会が悩む異常人格」というシュナイダーの定義が原因である。ドイツ精神医学の流れを汲む日本では、これが「精神病質」の基本定義として通用していたわけだけれど、1970年ごろになって、左翼系の先生方がこの定義に文句をつけたのですね。「社会が悩む」というのはどういうことだ
狂気のイメージとして、電波はもうすっかり有名ですね。大槻ケンヂの小説とか、葉っぱのゲームとかで、電波といえばほとんど精神病のトレードマークとして扱われているけど、確かに実際「電波が聞こえる」とか「電波で操られている」と訴える患者はけっこういるものである。専門用語として「電波体験」という言葉もあるくらいだ。 ただ、フィクションにはよく登場する毒電波という表現には、私は今まで一度も出会ったことがない。「いい電波」と「悪い電波」があって、両方がせめぎあっている、と話していた人がそれにいちばん近いかなあ。しかし、「毒電波」という言葉は、誰が考えたか知らないが、いかにも毒々しい病んだ精神を連想させてなかなかうまい表現だと思いますが。 ちなみに、実際の診療で患者さんに「電波、届いてる?」とか訊かれたときには、「届いてますよ」などとは答えてはいけない。妄想をより強固にすることになってしまうからだ。こうい
まずは、戦前から戦後まもない頃の精神医学雑誌に掲載されていた広告を紹介する。図像という点では今ひとつだが、今では使われていない薬が掲載されていたりして精神医学史的にはなかなか興味深いものである。
島清君の売り出した頃 「地上」第一篇が世に現はれて、洛陽の紙価を高からしめた頃の島清君の勢ひは全く素晴らしいものであつた。始めて日本の文壇に大天才が現はれたかの如くに思はれ、島清君自身は勿論自分を天才なりと堅く信じ、且つ自称してゐた。彼は既成文壇の大家を軽蔑し、殊に彼の「地上」を新潮社に紹介した生田長江氏や徳田秋声氏等までも軽蔑し、かなり傲慢な態度を執つたものらしい。殊に生田長江氏等の宅へ遊びに行つた際に、恰も座に文士や、文学青年などが居ると、非常に尊大ぶつて、生田氏にも、座の客にも狂人らしい程の態度を示したらしい、「宇宙」以下の話はしなかつたと笑はれたのもその頃である。 「地上」第一篇は島清君が、未だ文壇に少しも名のない全くの文学青年であつたので、いゝ加減の原稿料であつたらしいが、発行所が何しろ名高い新潮社のことであり、地上の内容も既成文壇の作家のやうに狭い範囲の自己の経験や告白などとは
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