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『語学の天才まで1億光年』(集英社インターナショナル)という本が話題を集めています。著者は、アジア・アフリカ・中南米など世界各地の辺境を探検し、独自の切り口でその冒険譚を綴ってきたノンフィクション作家の高野秀行さん。これまで訪れた国は約70、習得した言語は25以上。本書は、高野さんが言語とどのように向き合い、そして魅了されてきたかを、ユニークなエピソードとともに紹介した「語学エッセイ」です。 とはいっても、本書は自己の語学スキルを誇示しているわけではありません。それどころか「私ほど語学において連戦連敗をくり返し」ている人はいない、とまで言い切ります。見た目も違う、日本語も通じない、価値観も違う人々に囲まれながら、それでも「言語」を武器に、数々の難局を乗り切ってきた異文化コミュニケーションの達人に、多様性社会の中で共生していくためのヒントについて伺いました。 高野 秀行(たかの ひでゆき)さ
1993年、『完全自殺マニュアル』(太田出版)という本がベストセラーとなりました。タイトルは刺激的ですが、通底しているメッセージは「生きづらい世の中をいかにサバイブするか」ということ。以来、著者であるフリーライターの鶴見済さんは「生きづらさ」をテーマとした執筆活動を続けています。 「言いたいことを上から順番に書いていったら、結果的に全部が"生きづらさ"だったんですよね」と漏らす鶴見さん。2022年に出版した最新作『人間関係を半分降りる 気楽なつながりの作り方』もまた、「人間関係」という観点から、現在における生きづらさの根源とは何か、そして気楽に生きるのはどうすればいいのか、というテーマに挑んでいます。 本の中で、人間関係の作り方や、集団における振る舞いについて、さまざまな提案をする鶴見さん。その中には「みんなとちょっと違う人でいい」という多様性を肯定するメッセージも含まれています。気楽な人
ePARA代表・加藤大貴が、eスポーツやゲームに関わるさまざまな方にインタビューする不定期企画。今回は、先天性の脳性麻痺がありながらもソフトウェアエンジニアとして活躍するテクノツール株式会社の本間一秀氏と、同社取締役の島田真太郎氏にお話をうかがいました。 障害者の「できること」を広げる会社 加藤:まずは自己紹介と会社の紹介からお願いしても良いですか? 島田:テクノツールは、肢体不自由の方々向けにパソコンやスマートフォン用の入力機器の開発・輸入を主体にした会社です。創業からは26年ほどで、キーボードが使えない、マウスが使えない、スマートフォンのタッチ操作ができない方々に代替の入力機器を提供してきました。 その延長でゲーム用入力機器(コントローラーなど)の開発支援も行っています。パソコンやスマートフォン用の入力機器開発で培った技術やノウハウをそのままゲームの入力にも使えるようにするため、Fle
「生きる意味や価値を考え始めると、われわれは気がおかしくなってしまう。生きる意味など、存在しないのだから」(ジークムント・フロイト) 書店に足をはこべば、「自分らしく働く」「やりがいのある仕事」「自己実現の方法」といったテーマの本がたくさん並んでいます。現代に生きる多くの人が、働くことの意味を探し求めていることのあらわれでしょう。 しかし、病気や事故で「働くこと」自体が難しくなることを想像したことがある人は少ないのでは? 今回取材したのは、書籍やラジオなどを通して文学作品を紹介する「文学紹介者」として活動し、『絶望名人カフカの人生論』など多くの著書を出版してきた頭木弘樹さん。2020年に出版した著書『食べることと出すこと』では、大学3年生のときに発病した潰瘍性大腸炎(※)によって食事も排せつも自分の意思で行うことが困難になり、人生が激変してしまった経験が素直な筆致でつづられています。 ※潰
シャリシャリのワッフル生地に、無脂肪乳のミルクジャムがサンドされたお菓子「バターのいとこ」。優しい甘さと珍しい食感が話題を呼び、大阪の「梅田 蔦屋書店」でフェアが開催されたり、全国各地の百貨店でイベント出店をしたりと人気を博している。 今や催事に引っ張りだことなった「バターのいとこ」だが、そのお菓子づくりを多くの障害者たちが支えていることは、あまり知られていない。 近年では、多くの企業が積極的に「障害者雇用」に取り組むようになった。ただ企業のなかには、「法定雇用率」以上の障害者を雇用する義務がある(※)ことや、雇用によって国から援助金や調整金を受け取ることができるといった理由により、「障害者雇用」そのものが目的化してしまうケースもあると聞く。そうなると、実際に障害者がどう働き、社会と関わるかにまで目を向けることは難しい。 ※障害者雇用率制度では、すべての事業主は従業員の一定割合(=法定雇用
障がいのある方とともにJリーグの試合でお仕事を。東京ヴェルディ「ともに未来へ Green Heart Project 2023」
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