サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
Wikipedia
courrier.jp
※同書と本記事は異性愛者の視点から、生殖能力のある異性愛者同士の関係性を対象として書かれていますが、力関係や責任といったテーマを取り扱っており、特定の性自認にかかわらず役立つ内容となり得ると考えております。 何が書いてあるのか 「望まない妊娠は、セックスが原因ではない。男性が無責任な射精をした場合にのみ、望まない妊娠が起きる。彼自身と、彼のパートナーが妊娠を望んでいない状況なのに、男性が精子を女性のヴァギナ(膣)に放出した場合にのみ、それが起きるのだ──」 衝撃的な序章からスタートする『射精責任』。 展開される全28の項目では、妊娠の原因である男性の生殖機能は安易にコントロール可能であるにもかかわらず、避妊と妊娠に伴う精神的・身体的負担を女性のみに背負わせ続けている実態について、赤裸々に書き出す。 さらに、それらの負担が社会内で「当たり前のこと」として軽視され、女性の痛みや生命の危機が適切
2024年11月の米国大統領選に向けて、カマラ・ハリス副大統領が民主党の大統領候補指名争いに名乗り出た。そこで、米国初のセカンドジェントルマン(副大統領の夫)であるダグ・エムホフが、米国初のファーストジェントルマンになる可能性が出てきた。エムホフとはどんな人物なのか、米紙「ワシントン・ポスト」が紹介する。 その名前の連呼が始まったのは、カマラ・ハリス副大統領が7月22日、デラウェア州にある選挙事務所で、次期大統領選に向けた民主党の大統領候補指名争いへの出馬を表明する直前のことだった。 ダグ・エムホフ(59)が彼の妻を紹介するべく演台の前に出ていこうとするときに、ハリス陣営のスタッフが彼の名を連呼したのだ。米国で初めて副大統領の男性の配偶者として歴史をつくり、ハリスが11月の大統領選で勝った暁にはまた歴史をつくることになる男の名だ。 何世紀にもわたるジェンダーの固定観念を覆してほぼ4年が経っ
デジタルネイティブのZ世代は、恋人のデジタルライフのどんな行為を「浮気」と見なすのか。浮気を疑ったときに、どんな行動に出るのか。米紙「ワシントン・ポスト」が、生々しい実態を取材する。 彼氏がインスタグラムでモデルのビキニ写真に「いいね」した。それは裏切りか。無邪気な移り気か。あるいは、ただの小さな赤いハートマークか。 写真に友だちをタグ付けしたり、TikTok動画に「いいね」したり、われわれがオンラインですることのほぼすべてには跡が残る。恋愛関係にある人にとって、そうした痕跡は不貞のサインになりうる。事実そうであるにせよ、そう受け取られるだけにせよだ。 インターネット時代の小さな裏切り行為を指す「ミクロ浮気」ネタが、TikTokやインスタグラムなどのソーシャルメディアに絶え間なく流れている。ミクロ浮気のほとんどがオンラインで起こるので、カップルは互いのデジタル習慣を監視し、調べて、不貞のサ
「わかりやすさ」が真実を隠す ──本では、「セックスへの同意」と「妊娠の同意」が異なることなど、革新的なことがいくつか指摘されています。それらは考えてみれば当たり前です。ですが、そんな当たり前のことを、今まで誰も指摘してこなかった。なぜ、私たちの社会は、今までそれらの点に注意を払ってこなかったのだと思いますか? はい。多くの人がそれらに気付いていなかったと思います。私ですら、考えたことがありませんでした。6人の子供がいて、セックスについても妊娠についても十分知っている私でさえ。 正確な答えかどうかはわかりませんが、遺伝子検査技術が誕生するまで、私たちは誰が子供の父親かを証明することができなかったからではないでしょうか。 人類の長い歴史において、母親が誰かについては明らかでした。妊娠しておなかが大きくなるし、出産しますからね。でも、父親はそうではありません。 顔が似ていようが周りが何と言おう
日本は人工知能(AI)の中心地なのだろうか。 2024年4月、米IT企業大手「オラクル」が、クラウド・コンピューティングとAIに関するサービスの拡充のため、80億ドル(約1兆2500億円)を日本に投資すると発表した。その直前には、生成AIサービス「ChatGPT」の生みの親である「オープンAI」が、アジア最初のオフィスを東京に開設すると決め、さらにその2ヵ月前には、大規模言語モデル「Llama」を作った「メタ」社のCEO、マーク・ザッカーバーグの来日が大々的に報道されていた。 これと並行して、他にも大手テクノロジー企業が日本のITインフラに天文学的な額の投資を発表し、生成AIを用いたサービスを展開しようとしている。
体操のシモーネ・バイルズ、競泳のマイケル・フェルプスなど、ADHD(注意欠陥多動性障害)を公言しているエリートアスリートは少なくない。 子供の頃に診断された選手もいれば、つい最近まで「自身がADHDだとは知らなかった」という選手もいる。 東京オリンピックの女子マラソンの銅メダリスト、モリー・セイデル(29)が、その兆候に気づいたのは2022年頃だという。 「もし子供の頃にADHDと診断されて、すぐに薬を飲んでいたら、オリンピック選手にはなれなかったと思う」 というのも、彼女にとっては「振り返れば、スポーツが薬」のように機能していたからだと、米誌「ウィメンズヘルス」に語っている。 同誌によれば、ADHDの人は「体を動かすことで興奮した心を落ち着かせられる」と感じる傾向があるという。 たとえば、小学6年生のときにADHDと診断されたフェルプスは「泳いでいるときに、初めて自分をコントロールできて
英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」が、日本ではまだ少ない女性すし職人に注目。国内外で高額なおまかせコースが人気を博すなか、独自のスタイルで至極のすしを提供する東京の名店を紹介している。 2024年初頭、東京の高級住宅街・麻布十番にある「鮨 めい乃」が、日本の人気ドキュメンタリー番組に取り上げられた。店主の幸後綿衣(こうご・めい)は34歳のすし職人かつソムリエで、10年の修行を経て独立し、自身の店をオープンした。 店を持とうと決意したときのことを、独立するには最適のタイミングだと思ったと幸後は語っている。この店で提供されるのは、5万円の「おまかせコース」のみだ。 銀座の小野二郎に金沢郊外に店を構える山口尚享(たかよし)と、名立たるすし職人がそろう日本で幸後が注目を浴びる理由はシンプルだ。彼女がすしを極めたいと願う、女性の職人だからだろう。 すし業界は伝統的に男社会だ。2021年の政府統計に
アップルTVで7月10日に放送開始されたドラマシリーズ『サニー』は、AIと人間の関係性を描くダークコメディだ。だが、なぜアップルは自社AI「アップル・インテリジェンス」を発表したカンファレンスの後に、ディストピア作品を公開したのだろうか。 米誌「ファスト・カンパニー」は、「アップルの巧妙な広告戦略ではないか」と指摘する。 暴走するAIを描いた作品 日本在住のアイルランド人作家コリン・オサリバンの小説『ダーク・マニュアル』を元にしたドラマ『サニー』は、近未来の日本を舞台にした物語だ。京都に住む米国人女性スージーは最愛の夫を航空事故で失う。その慰めとして、夫が勤めていた企業が製造したロボット「サニー」を贈られ、共に暮らすことになる。 「ロボットは嫌い!」と、サニーに嫌悪感を露わにしたスージーだったが、両者は次第に友情を育んでいく。そして亡くなった夫に隠された真実を明かしていくうちに、危険に巻き
恋愛市場においてはジェンダー規範と職業がいまだに強く結びついているようだ Photo: Oscar Wong / Getty Images 小学校教員や看護師は女性の仕事、工学エンジニアやコンピュータサイエンティストは男性の仕事というように、ジェンダーの規範と職業を結びつける発想は時代遅れになりつつある。多くの職業において雇用機会を男女で分けたり、誰かの職業を指して「男っぽくない」「女っぽくない」などと評価したりすることは、社会的にはあまり受け入れられなくなった。 しかし、個人レベルではどうだろうか。特に個人のパートナーを選ぶ際、多くの人は無意識のうちに、いまだに職業とジェンダーを結びつけているかもしれないことが研究で判明した。マッチングアプリを中心とするいわゆる「恋愛市場」においては、性別のイメージに合った職業についている人のほうが「成功する」傾向にあると示されたのだ。 マッチング率に大
クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら。 シンガポール在住の中国人留学生(26)は昨秋、休暇で帰国するためスーツケースに荷物を詰めていた。荷物の中には衣類や靴だけでなく、米半導体大手エヌビディアの人工知能(AI)向け先端半導体チップが6個入っていた。 米国が半導体の対中輸出を規制しているため、大学の友人を介して、チップを中国に持って行くように頼まれた。チップ1個は任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」ほどの大きさで、空港の検査員に怪しまれることもなかった。 到着後、運んだチップ1個につき100ドル(約1万6000円)を受け取ったと学生は話した。 米バイデン政権の輸出規制はエヌビディアの先端AI半導体を中国に渡さないことを目的としている。だが、これをかいくぐる買い手・売り手・運び
JAMA精神医学誌に掲載された新しい研究によると、幼少期から思春期にかけての子供時代に2回以上の引っ越しをすると、成人後のうつ病のリスクが大幅に増加することが判明した。 「子供時代に頻繁に引っ越しをするリスクは、貧しい地域に住むリスクよりもはるかに大きかった」という。 この研究は、1982〜2003年の間に生まれたデンマーク人、100万人以上を対象とした大規模なもので、所得レベルによる違いも調査に含まれている。 対象者のうち、精神病院でうつ病の診断を受けた人は3万5098人(約2.3%)。研究者らは、「予想した通り、貧しい地域で育った人のほうが、うつ病を患う可能性が高く、地域の所得レベルが低下するごとにそのリスクが2%増加した」と述べている。 彼らを最も驚かせたのは「10〜15歳の間に2回以上引っ越しをした成人のうつ病のリスクが増加していたこと」で、この時期に引っ越しをしなかった成人と比較
20世紀前半の中国を動かした「宋家三姉妹」の三女・宋美齢は、米国のルーズベルト大統領まで魅了し、日中戦争や太平洋戦争に影響力を及ぼしていた。日米中の歴史に詳しい作家の譚璐美氏が、宋美齢の壮絶な人生に迫る。 中国の民族衣装ではない 日本でもおなじみのチャイナドレスは、中国伝統の女性の民族衣装だと思われているが、実はそうではない。 チャイナドレスは中国語では「旗袍」(チーパオ)と呼ばれ、原型は、清朝時代に「八旗」(はっき)と呼ばれる満州貴族の軍団が騎馬用に着た服(袍)で、襟元を小さくして砂嵐から肌を守り、馬に跨るために両足が広く開くよう裾が分かれていた。 それが1920年代、上海で西欧モダニズム文化が花開いた時代に、流行に敏感だった上海の女子学生たちが、洋服と融合させて今日のような細身の「海派旗袍」(ハイパイチーパオ、洋風ドレス)を生み出した。 当時の上海には英国、フランスなどの租界が広がり、
米国在住のある母親が、中学生の娘のスマホ依存をめぐる壮絶な闘いの日々を、英紙に仮名で寄稿した。成績の低下、繰り返されるウソ、自傷行為、半裸のセルフィー……SNSに溺れてどんどん変わっていく娘に、母親の胸は何度も張り裂ける。 カメラロールに残る「負のスパイラル」 私の娘は、米公衆衛生局長官が精神衛生上の深刻なリスクにさらされていると警鐘を鳴らした子供の一人だ。ソーシャルメディアに浸っている米国の子供たちは、「数十年にわたる社会実験に無意識のうちに参加させられている」という。 娘は中学に入る前、犬の散歩でお小遣いを貯めてスマートフォンを買った。中古のiPhone 13 miniを売買サイトで見つけたのだ。親としては購入を許すことで、良い成績を取ったり、部屋をきれいにしておいたり、ゴミ出しをしたりするモチベーションになればと期待した。 当時の私は、このスマホが娘に及ぼす影響と娘から何を奪うかにつ
米国の家庭の多くは新車や中古車を買えない状況にある、と米誌「アトランティック」は指摘する。 物価はここ1年で2.5%上昇したが、コロナ禍初期には7%上昇したので、それよりは低い。家賃は高いものの、横ばいだ。食品の価格も急上昇しているわけではなく、卵などは値下がりしているほどだ。 だがそれでも、米国民が車の購入に踏み切れない事情とは──? 新車を買えるのは「裕福な家庭」だけ 多くの車種の価格は下がってきており、在庫も充分に眠っている。しかし、それは単に、コロナ禍の前半に半導体が不足し、それ以外の部品もサプライチェーンが麻痺したことで、これまでの店頭価格が大幅に上昇していたからだ。 新車の価格は依然として高く、中流家庭の多くは経済的な余裕がなくて購入できない。新車に手が出せるのはたいてい、裕福な家庭だけだ。 中古車を買う場合も、状況は似たり寄ったりだ。新型のダッジ・ラムであれ、旧型のトヨタ・プ
人体を冷凍して生き返らせる──そんなSF映画の世界のような技術に取り組むスタートアップがある。天才と称された人物が立ち上げたスタートアップは、どこまで技術の研究が進んでいるのか。謎に包まれた研究室を米経済メディアが訪ねた。 冷凍された人間は生き返ることが可能なのか? 不老長寿という研究分野は、いわばなんでもありで、大風呂敷を広げる人が多い。そんな研究分野で10代の頃からベンチャーキャピタリストとして仕事をしてきたのがローラ・デミング(30)だ。 この10年で、この分野でもっとも目が利く投資家の一人として頭角を現した。そんな彼女がベンチャーキャピタリストとしての仕事を中断する。これからは自分が起ち上げた会社の経営に本腰を入れ、不老長寿研究のなかでも、とくに物議を醸すテクノロジーの開発に取り組むのだという。 デミングが2024年6月、世間に対してお披露目したのがクレードル・ヘルスケアという会社
2024年6月に江蘇省蘇州市で日本人母子が襲われるなど、最近、中国で外国人に対する暴力事件が相次いでいる。その背景には、ネット上で蔓延する外国人ヘイトの問題があるという。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が外国人嫌悪を組織的に煽ろうとする中国の国家システムに迫った。 2023年、中国のSNSに公開されたある動画が広く拡散された。動画には上海の小学校の校庭らしき場所に100人以上の日本人の子供たちが集まっている様子が映し出されている。 リーダー格の2人が何かを叫ぶと、その言葉が次のように中国語字幕に翻訳される。 「上海は私たちのもの。もうすぐ、私たちは中国全土を手に入れる」 第二次世界大戦中に日本軍に占領された歴史を持つ中国の人々は、この言葉に憤りと危機感を覚えた。 だが実際には、この動画は日本の小学校で撮影されたもので、子供たちは中国に対するヘイトスピーチを発したわけではなく、運動会の選手宣誓
「日本の宗教は何?」と海外の人に聞かれたとき、仏教と神道の関係を説明できますか? さらに「神道ってどんな宗教なの?」と突っ込まれたら、その特徴について語ることができますか? 日本人は「無宗教」と言うことが多いですが、その歴史を見れば、単に信仰心がないためにお正月には神社に初詣をして、お葬式をお寺であげているわけではありません。宗教学者の島田裕巳さんが解説します。 日頃、私たち日本人は、自分たちのことを「無宗教」だと考えています。ところが、世界を見渡してみれば、ヨーロッパや米国ではキリスト教が広がり、中東を中心にイスラム教が広がっている。東南アジアには最大のイスラム教の国、インドネシアがあるし、世界で最大の人口を抱えるインドにはヒンドゥー教とイスラム教がある。宗教が力を持っていない国や地域は存在しないのです。 無宗教を標榜する日本人も、葬式は仏教の寺院でおこない、初詣には神社を訪れます。いま
アダム・グラント 組織心理学者。ペンシルベニア大学ウォートン・スクール教授。著書に『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』、『THINK AGAIN 発想を変える、思い込みを手放す』、『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(いずれも三笠書房)など Photo: Olga Rolenko / Getty Images 履歴書やこれまでの仕事の実績を見れば、その人が採用すべき人材か否かは自ずとわかる──。 そう考える人がこの本を読んだら、腰を抜かすかもしれない。『隠れたポテンシャル』(未邦訳)は、米国の名門ビジネススクール「ウォートン・スクール」のアダム・グラント教授(42)の最新著だ。ポテンシャルの高い人材を見抜くためには、採用人事のソフトウェアを変更しなければならないと説いている。科学や社会学の研究を援用しながら「才能」という概念を打ち砕き、「粘り強さ」の重
欧米でEV市場が停滞している。そんななか、高級スポーツカーメーカーのフェラーリは、2025年に初めてのEVを売り出す予定だ。しかし、熱狂的なファンが多い同社は、EVという全く異なるシステムに移行しても、その魅力を保てるのか。EVに大規模投資をするフェラーリのいまについて、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が考察した。 減速するEV市場 北イタリアの新工場では、フェラーリ車のフレームがロボット搬送装置によってなめらかに運ばれていく。ステーションごとに、チェリーレッドのユニフォームに身を包んだエンジニアたちがフレームにエンジンブロック、ダッシュボード、ステアリングホイールといった部品を付け加えていった。そうしてハイブリッド車が組み立てられた。 そして、同社が次に作ろうとしているのは、電気自動車(EV)だ。
エマニュエル・マクロン仏大統領が数年前に「脳死状態にある」と酷評していたNATO(北大西洋条約機構)が、ウクライナ戦争を契機に求心力を強めている。 7月に米国ワシントンDCで開かれたばかりの首脳会議では、「われわれが直面する脅威は世界的かつ相互に関連している」として、関与すべき安全保障空間を、欧州のみならずアジア地域にまで拡大した。 さらに、NATO加盟国にとって最大の脅威であるロシアのほかに、中国、イラン、北朝鮮を挙げて、個別に批判を展開している。 日本の岸田文雄首相も、中国の軍事力強化や北朝鮮の核・ミサイル開発を念頭に、「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と繰り返し発言している。 「反米枢軸」? NATOが批判する中国、イラン、北朝鮮はいずれも、ウクライナ攻撃を続けるロシアに武器供与などの形で支援をしている。さらに、ロシアとともに現在の国際秩序を批判し、多極化した国際社会の
鎌倉の山に日本各地から古民家や廃寺を移築し、唯一無二の大屋敷を作ってしまった米国人がいるという。米紙「ニューヨーク・タイムズ」が現地を取材した。 鎌倉の街を望む山で、ある日の午後、ブライアン・ヘイウッド(57)が、彼の新居に最後の仕上げを施す12人の職人を見守っている。 咲き誇る山桜の木々に縁取られたこの広大な高台の屋敷からは、西に相模湾が見え、遠くには富士山も見える。ヘイウッドは言う。 「車で入ってきたとき別世界に連れてこられた気分になってもらいたいのです」 東京から50キロほど離れた海沿いの街にある、1200坪ほどの敷地は、交渉と保存の末に勝ちとられたものだ。ヘイウッドが「樟山(しょうざん)」と呼ぶ敷地には、築数百年の木造家屋が3棟、築150年の廃寺、その他の文化財が興味深く混合して建っている。すべて慎重に解体され、もともと建っていた場所から移され、5年かけて再建されたものだ。 それぞ
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『クーリエ・ジャポン | 海外メディアから記事を厳選!』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く