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買ってよかったもの
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そんな気持ちにドンピシャで答えてくれるのがプラッツの「F/A-18E スーパーホーネット」です。1/144スケールという手のひらサイズの縮尺で、なんと2機入り。このタイミングで定価で手に入れられる販売店はちょっと限られるようなので、プラッツさんは再販したほうがいいと思います……というか、これはいつでもどこでも買えるプラモデルとしてマジで定番化してほしいッ! キットに入っているプラモデルはドラゴンという会社のもので、プラッツはデカールや説明書、パッケージをブルーエンジェルス仕様にしているという寸法でございまして、その出来については下の記事に詳しいです(丸投げ)。 正直言って何も考えずにビシバシ組めるかと言うと少々スキルを要する感じではあるのですが、ブルーエンジェルスはそもそもタンクやミサイルを装備していないし飛んでいる姿が最強にかっこいいので、飛行機をすっぴんで作れば実物通りってのがマジで素
とにかくエアブラシを吹いてみたい、何ができるかを見たい、そしてエアブラシで使って実際に塗ってみた後にもう一度読むと、「あぁポイントはここか」、ということが書いてある。そんな一冊が、今回ご紹介する「エアブラシの教科書」です。 こちらは去る2024年4月23日、ホビージャパンから発売となりました。私けんたろうもこのなかで色々製作や文章で関わっていますので、本の中身の紹介とつくるときに考えていたことなど、本書をご紹介しつつ書いていきます。 エアブラシは塗装用具として筆に並ぶツールであり、初期投資費用こそ据え置きゲーム機ぐらいかかりますが、永らく使えて便利なツールです。コンプレッサーは本当に長持ち。 私が使っているのはワーサー15Aです。もう10年は使っていますね。静かで空気圧も強力、頼もしい相棒です。 今回のエアブラシの教科書は、フラットに塗ることやグラデーションなどエアブラシならではの定番テク
「バルキリーのコクピットから前だけ」をプラモデルにしてきたPLAMAXの機首コレクションに、『機動警察パトレイバー』のイングラム1号機が加わった。泉野明のフィギュアと、胸像(+左肩だけ!)のアルフォンスがセットになっていて、ハンガーで愛機を見上げる情景を楽しめる。はっきりと見せたい情景が固まっているので、ロボットプラモというよりもジオラマに近い。 可動ロボットプラモではなく固定ポーズなので、どこのパーツが何になるのか分かる外装部分と、パッと見では何のパーツか判別できないメカメカしさを持った内部構造のコントラストがめちゃくちゃ楽しい。眼にあたるカメラの部分のディテールをよく見ると左右非対称だったり、メッシュホースが実機の可動を妨げないよう這っていたり、頭部を動かすシリンダーが絶妙な角度で成形されていたりするのは組んでいて驚きの連続だ。 このプラモの危険なところは、思わず塗りたくなるディテール
バンダイスピリッツがロボット以外のジャンルでゼロからモチーフに向き合うプラモデルが好きです。こちらは発売されたばっかりのプラモデル。マンガ、映画、ゲーム、ディズニープラスのアニメでも展開される作品『サンドランド』から、サンドランド国王軍戦車隊104号車です。1/35スケールですよ。戦車模型のデファクトスタンダードであるこの縮尺で「鳥山明メカ」が手に取れる嬉しさはもちろん、あのバンダイスピリッツが真っ向から「戦車模型」に挑戦しているんです。美味いに決まってるでしょ! 組んでいるのを横で見ていた妻が「あ、バンダイのプラモデルだ」と声を出すのも納得。色とりどりのパーツがハコの中からこんにちは。戦車模型はシックなミリタリーカラー単色であることがほとんどですが、このプラモデルは「組み立てるだけで設定に近い配色が楽しめます」というタイプのヤツ。しかもね、ガンプラではだいたい1枚しか入っていない多色成形
「スタジオぬえ「宇宙の戦士」初期イラスト集」。ウェーブが同社の「機動歩兵 戦略通信型」のプラモの初回特典として封入してくれたビッグプレゼントです。このプラモを買えば、あなたは今からでも『宇宙の戦士』になれます。 ロバート・A・ハインラインの名作SF小説である『宇宙の戦士』。どんな内容なのかは上のリンク記事を読んでください。小説の内容とともに、1977年に出版された早川書房の『宇宙の戦士』のために、スタジオぬえの宮武一貴氏と加藤直之氏によって描かれた挿絵やカバーイラストは、今でも世界中のSFファンを魅了し続けており、こうやって現代の成型技術でプラモになっているのです。 しかし……今から『宇宙の戦士』になろうという最高のフレンズが手に取りやすい「新訳版」には、偉大な二人が手がけた挿絵が掲載されておらず、本書のカバーイラスト、1977年版のカバーイラスト、2010年版のカバーイラストなどが掲載さ
女の子プラモのお尻がジャンルを繋げる「神パーツ」だったのです。近年、超可動なポージング実現を目指すキットがよく見受けられたバンダイスピリッツ。『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の最新キットとなるFigure-rise Standard チュチュでは基本の可動パーツとは別に、”ヤンキーしゃがみポーズ”を再現するためにプロポーションを優先の固定パーツが用意されていました。ここに「劇中のチュチュを100%再現するのだ!」という強い思いを感じられて好感しかなかったわけです。
もとになった「トヨタセリカ2000GT リフトバック」のカタチを確かめると、ボディの中に埋もれたドアとルーフとCピラーからテールにかけての造形に面影がある。もっと探せば、リアのコンビネーションランプあたりも市販車そのままのパーツに見える。「ドイツでエンジンを徹底的にチューンされてポルシェをやっつけた日本のクルマ」と言われると、最初は突拍子もなく見えたカタチに意味が感じられるではないか。 いわゆる「ダルマセリカ」を象徴する四つ目のフロントまわりとキャビンを囲むロールバーのパーツもブルーのプラスチックで用意されている。レースに出るために研ぎ澄まされた(あるいはゴテゴテに盛られた)その機構を、わりとシンプルなパーツ数で表現しているのがとてもいい。 初版は1978年となるこのプラモデル。モーターで走る機構の名残があるのは先日再販されたばかりのポルシェ935なんかと同じ。シルバーのパーツでエンジンが
なんだこのハイテクバイオ素材・タキシードみたいなパーツは……。ハイテクバイオ素材・タキシードというのは私がいま思いついたフレーズなので、つまるところこれがなんなのか、わからないのである。なんだかわからないのがいい……というのがハセガワの新作、クァドラン・ローのめちゃくちゃステキなところだ。このプラモデルは褒めても褒めても褒め足りない、というくらい、とにかくずーっと面白い。これを読んだ人は全員組んだほうがいいです。 クァドラン・ローは巨大な異星人が乗るパワードスーツであり、いわゆる人間のカタチをしたロボットとはぜんぜん違うスタイルを持っている。両腕両脚こそあるが、頭胸腹はひとカタマリになっていて、背中の左右と膝関節に巨大なミサイルランチャーがある。ごちゃごちゃしたシルエットに細かいディテールがチマチマと入っているのではなく、ボリューム感のあるユニットが集まって唯一無二のシルエットを構成する、
今まさにストーリーが佳境に入ろうとしている『ウルトラマンブレーザー』がおもしろい。おもしろいのでウルトラマンブレーザーのプラモデルを買った。ウルトラマンブレーザーの全身には複雑な模様が入っている。左右非対称だし、赤と青のラインがごちゃごちゃに入り組んでいるし、これを「自分で塗ってください」と言われたら泣いちゃうところだけど、バンダイはそんな乱暴なことは言わない。「塗装なんかしなくてもこのややこしい模様が完全再現されますよ」というおもてなしを用意している。 どうやってこんなややこしい模様を再現しているのかというと、ひとつにはインサート成形である。ひとつの金型に複数種の樹脂を流し込むことで、成形が終わった時点で色分けができちゃっているというアレである。 ブレーザーの胸や肩、左半身の太ももや脛などは、このインサート成形で入り組んだ模様が再現されている。メタリックなレッドとブルーがひとつの部品の中
ただパーツを組んだだけでこの圧倒的な色分けと重層的な造形の再現。チェック柄のスカートは印刷済みのPVC製シートにフリル状の癖をつけたものが同梱されており、胸元のリボンはハートの部分と一部の白いラインをPET製のシールとして立体感と光沢のあるテクスチャを両立するなど、複数のマテリアルを組み合わせることでリッチな見た目を堪能できる。 いまやキャラクターモデルではほとんど当たり前になりつつある「最初からプラモデルにすることを前提として起こされたデザイン」ではなく、(プラモデルになることなど微塵も考えていなかったであろう)ゲームに登場するアイドルらしいきらびやかな衣装を、硬質なプラスチックの組み合わせで表現するために腐心した痕跡が組みながらに感じられる。こんなに楽しい旅なら、何度でも繰り返し味わいたい、と思わせるほどだ。 『アイドルマスター シャイニーカラーズ』に登場する26人のアイドルをすべてプ
ガンプラは全部良くできているので「出来がいいです!」と書けばだいたい終わりになってしまう……という前提でちゃんとガンプラを見ていこうという個人的な試み。今日はHGUCジオングです。2001年のガンプラですから当時産まれた赤ちゃんは大学4年生です。とんでもないですね。そして完成したジオングの写真はインターネットを検索すると数万枚は出てくるのではないでしょうか。実物(実物!?)は1個しかないと思いますが、プラモデルになると数万倍に増殖するというのがまずヤバいと思います。 まずジオングはでかいMSなのでパーツも大きい。いや、大きくてもコマゴマと分割するのが「精密なガンプラ」ということになっている現代において、改めて22年前のHGUC版を眺めると「スジ彫りとかユニット構成とかで見せるんじゃなくて、あくまで色とシルエットをアニメで見た印象に極力近づけたいんスヨね」という空気感が伝わってきます。これを
2018年にシルバーメッキボディの特別仕様として発売されたけど、「やっぱストラトスといえばアリタリアカラーでしょ」という皆さんのためにタミヤがランチア ストラトス・ターボを往時のカラーリングで再販してくれました。ストラトスといえばラリーカーですが、1977年に発売されたこのキットはオンロードのサーキットを走るために作られた仕様、いわゆるシルエット・フォーミュラと呼ばれるタイプ。これはこれで趣があるし、当時の空気感を色濃く伝えてくれる貴重なプラモっすよ。 タミヤのプラモの箱の横には「おもな使用色」が書いてあって、お店でどの塗料を買えばいいかのガイドになってます……が、指示されているのは白と赤だけ!そういうことにして楽しむ「縛りプレイ」みたいなのもアリなんすよ。現代のカーモデルはこまかいところまでキチキチにパーツ化してあって緻密に塗り分けてリアリティを追求するのがフツーだけど、この当時はモータ
息子が生まれて100日が経った。まだ歯も生えてないのにメシを食うフリをする「お食い初め」という儀式は、いかにもオトナの考えたエゴイスティックな風習だなと考えていた。しかし、いざその日が迫ってくると親バカとはまた違った使命感(例えばかつて自分もそれをやってもらったらしいとか、あとでそれをやっていなかったことが息子や妻や私にとってなんらかの悔いを残す可能性がゼロではないかもしれない、とか)が沸いてきて、結局お食い初めに最低限必要なものが揃っているセットを注文した。 小さなプラスチックの食器に色とりどりの食材が少しずつ入っていて、スチレンボードで作られたお膳にきちっと配置された様相は正しく「料理の模型」であった。ここにある食材をひとつずつ買い揃えてうまく調理し、小さな漆器を揃えて見目麗しく盛り付けようとしたらとんでもない金額と労力が必要だろう。お食い初めがもともとは皇室や公家の儀式だったというの
りんごは赤、空は青、葉っぱは緑……と自然界で見られるスペクトルに名前をつけてきた人類でありながら、「肌の色」という毎日見る超大事な(しかし地味で、どんなものにも似ていない)色について、そのものズバリを表す言葉を持っていない。 なんなら人の顔の微妙な色調の変化を「赤/青/緑/紫……」と識別すらするけど、それは体表の小さな変化からも相手の感情や体調を察知できるよう進化してきた(あるいは識別できない個体は淘汰されてきた)からではないか、という論旨である。 パッケージを開けたとき、「こりゃなんとも汚い色だな」と思った。エクスプラスのヴァンピレラはかつて我々が「肌色」と呼び習わしていた色よりも少しだけ濁り、くすんだようなプラスチックの色でできている。そのときの色のイメージをなんとなく表現したのが上の写真だ。しかしそれはめちゃめちゃ間違っていた。この肌色は総合的に言って、正しかった。 試しに同じプラス
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