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ある因子と病気との因果関係を調べることが疫学の最もコアな部分で、その方法は因果推論と言われます。 因果推論は近年目覚ましい発達を遂げ、今やかなり数学的です。 しかしこの発展につき、実は熾烈な論争があります。 この記事を読むことで、疫学·因果推論についてより深く洞察できるようになります。 疫学の因果推論、誰のコンセプトが正しい?【ハーバードで炎上】 このブログでも度々紹介している「因果推論」ですが、非常に数学的です。 ・DAGという「因果関係の枠組み」をベースとして、 ・Counterfactualを考えてそれを数学的に表現し、 ・Exchangeabilityやconsistencyという「数学的条件」を駆使して因果効果を算出します。 これの生みの親が、ハーバード大学院のJames Robinsです。 彼は数学科卒、MD取得後、そのキャリアを疫学方法論に捧げた方です。 DAGやその応用法な
ratio, proportion, rate, percentage:どれも「比」を意味しますが、実は意味が違います。 この記事ではこれら「比」の単語の科学的に正しい使い方を解説します。 *口語での使い方ではないので注意ください。 Ratio, proportion, rate, percentageの違いを解説 「比」という概念は科学で(科学でなくとも)非常に重要です。 日本語でも「割合」という似たような単語がありますが、英語には「ratio, proportion, rate」あたりが該当するかと思います。 しかし科学論文において、これら3つの英単語は同義語でないのです・・!! どういう意味、定義なのかはっきりさせて置くことは、これらを科学的に厳密な意味として用いている論文を解釈する上で必須の知識となります。 この記事は一昔前のAmerican Journal of Epidemio
科学的な説明をしても伝わらない。 別に難しいこと言ってないのに、理解してくれない。 この悩みを抱える医者、疫学者は多いです。 学歴の高い低いに関係なく、伝わらない事がよくある。 これは、聞き手の「要素還元主義」的な考え方が原因だと思います。 これを噛み砕いて説明していきます。 多くの日本人は「要素還元主義的思考」に囚われている コーヒーは健康に良いことを説明したい。 私:「食習慣と健康のアウトカム(死亡率など)を記録した数万人のデータを用いて、コーヒーをたくさん飲む人ほど死亡率が低いということがわかっている。他の色々な因子で調整しても(他の因子の条件が同じだとして比較しても)、同様の結果だった。さらに、今までの数十の研究を合わせて解析しても(メタアナリシス)、同様にコーヒーは死亡率低下と関連した」 (これを平易に説明した) 相手は、あまり釈然としていない。 相手:そうじゃなくて、「コーヒー
前向き研究と後ろ向き研究、違いをはっきり把握していますか? ランダム化試験=前向き、コホート研究=後ろ向き、と考えていませんか? 違います。だったら「前向き」「後ろ向き」を定義する必要が無いわけです。 この記事では、ハーバードでの定義を紹介し、その意味を解説します。 世界共通の定義はおそらく無いですが(それが問題)、ここに紹介する定義に従えば、まず間違いありません。 前向き研究と後ろ向き研究の違い、はっきり分かりますか? 「前向き・後ろ向き」に関して、私のほろ苦い経験をお話します。 ある臨床研究(病院のデータを使ったコホート研究)を国際誌にsubmitして、reviseとなりました。 reviewerのコメントの一つに、「この研究は後ろ向きのように感じられる」というものがありました。 私はmanuscriptに「前向き研究」と書いていました。 しかし、このときは前向きか後ろ向きか定義に自信
「人工甘味料は危険だ・太る」と悪影響を煽る記事をよく見かけます。 ただ、それらは概して科学的根拠に基づいていません。 実は人工甘味料の健康への影響については、かなりの研究で多くのことがわかっています。 この記事では現時点でのエビデンス=科学的根拠をまとめました。 現時点で科学的に妥当と考える事を知り、悪戯に不安を煽る記事に見分けをつけ、自分の判断で「賢く」人工甘味料を使用できるようになりましょう。 *2021/8/30 エビデンスをupdateしました。 人工甘味料とは? 人工甘味料とは、砂糖より数百〜数万倍甘いため、砂糖と同じ甘さを出すために必要な量が少ない、人工的に合成された物質です。 人工甘味料自体はカロリーを少し含むものもありますが、極微量で甘くなるので、カロリーフリーが謳われます。
「エビデンス」とは、その因果関係(コーヒーが心血管病を予防するか、など)がどれくらい信頼できるかです。 「エビデンスレベル」とは、その因果関係の信頼性のレベルです。 *** 少し細かく説明します。 エビデンスは研究をもとに決まります。 よって、研究の信頼性=エビデンス、ということになります。 実は研究のデザインによって、信頼性が大きく異なります。 ↓ ・患者一人だけを対象にした症例研究は、その人にしか当てはまらないかもしれないので、信頼性は低い ・1000人のコホート研究(1000人の生活習慣や病気罹患を追跡調査した研究)は、それなりに信頼できる ・10万人の研究は、より信頼性が高い ・ランダム化研究はもっと信頼できる ・10個のランダム化研究を併せて解析したもの(メタ解析)は更に信頼できる
最新論文から「酒に関するエビデンス(科学的根拠)」をわかりやすく紹介し、正しい酒の飲み方を提案します。 お酒は健康に悪いのか、百薬の長なのか。 ビールより少量のワインがいいのか。 巷に溢れるアルコールに関する嘘・デマを見抜けるようになりましょう。 *2021年9月27日にエビデンスを更新しました。 *飲みすぎが健康に悪いことは当たり前すぎるので、この記事では解説しません。 「お酒と健康」の嘘と真実:少量でもNGか お酒と健康の関連性については、実に数十年以上研究が行われてきています。 それにより、科学的に妥当と考えられる一定の見解が形成されつつも、それでも決着のついていない事柄もあります。 これを正しく理解するには、 ・最新のインパクトのある一つの論文 だけでは不十分で、 ・その研究に至った歴史(数千本の論文の大まかな概要) を知っておく必要があります。 まずは、この後者を1分で紹介します
2020年1月、British Medical Journalというイギリスで最も権威の高い医学誌に、「発酵性大豆食品摂取と死亡率低下の関連」という日本からのコホート研究が掲載されました。この論文を「納豆を食べると死亡率が10%低下する!」と様々なメディアが取り上げ、話題となりました。本当に納豆を食べれば死亡率が10%低下するのでしょうか。 この記事では、このBMJ論文の背景、解釈についてわかりやすく解説しました。 納豆を食べると死亡率が10%低下する!?日本からの最新論文 元論文はこちらです:https://www.bmj.com/content/bmj/368/bmj.m34.full.pdf 論文のタイトルは「Association of soy and fermented soy product intake with total and cause specific mortal
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