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「ブロックチェーンのトリレンマ」とは、2017年にイーサリアムの創設者ヴィタリック・ブテリン氏が提唱したもので、性能(scalability)、安全性(security)、分権性(decentralization)の3つにはトレードオフがあり、同時には2つまでしか成立しないことを表すものだ。ただし、あくまでも経験則であり、これまで数理的に表現されたことはなかった。 京都大学の研究グループは「ブロックチェーンのトリレンマ」を表現する数式を発見したと4日、発表した。具体的には、ビットコインなど、プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work:PoW)型のブロックチェーンにおいて、安全性を下げるフォークという現象が起きる確率の逆数を「安全性の指標」とした場合に、その項と、性能を表す項、分権性を含む項、それら3項の積が一定である、つまり3項がトレードオフであるという数式を得たという。 なお、研
生成AI(人工知能)とWeb3の融合は、暗号資産分野における最も興味深いトレンドのひとつだ。生成AIが次世代のWeb3テクノロジーで役割を果たす可能性が高いことは多くの人が認めるところだが、その具体的な内容は明らかとは言い難い。 結局のところ、AIはWeb3の重要な構成要素と考えられたことはなく、さまざまな世代のレイヤー1(L1)とレイヤー2(L2)は、AIのワークロードを実行するように設計されていない。 Web3を生成AIテクノロジーに適応させることを想定したとき、Web3開発者が直面する現実は、データと計算要件の圧倒的なミスマッチだ。生成AIのワークロードは、高度に並列化可能なGPU上で実行され、演算集約的に設計されている。一方、ブロックチェーンの処理能力は、データと演算能力の点でかなり制限されている。 同時に、Web3がWeb2に追いつくためには、生成AIの機能を取り入れる必要がある
米デンバー州で開催されたイーサリアム・カンファレンス「ETHDenver」の後、ロールアップ・エコシステムは、ロールアップ分野で拡大するステート(すべてのアカウントと残高だけでなく、あらかじめ定義されたルールに従ってブロックごとに変化し、任意のマシンコードを実行できるマシンステートを保持する大規模なデータ構造)の断片化問題に対処するためにカンファレンスで議論されたいくつかの新しくエキサイティングなアイデアに沸いている。 このカンファレンスでは、リーダー、開発者、ビジョンを持つ人々が、2020年からのロールアップ中心のイーサリアムのロードマップを再考し、それ以来、業界としてどのような道を歩んできたのか、新しいロードマップがレイヤー2エコシステムの爆発的な成長にどのようにつながったかといった点を振り返った。実際、レイヤー2のTVL(預かり資産)は、この1年だけで230%以上も増加している。 こ
ビットコインの生みの親、サトシ・ナカモトは2009年にメールで、ビットコインはエネルギーを大量に消費するようになる可能性があると警告していた。 プルーフ・オブ・ワーク(PoW)はビットコインのセキュリティの中核だが、エネルギー消費の大きさが議論の的になっている。 サトシはブロックチェーンの非金融ユースケースを予見し、法的な監視について懸念を示していた。 ビットコインの初期協力者だったマルティ・マルミ(Martii Malmi)氏が公開したメールによると、サトシ・ナカモトは、ビットコインはエネルギーを大量に消費するようになる可能性があると警告していた。 メールの公開は、クレイグ・ライト(Craig Wright)氏がビットコインの生みの親なのかをめぐる裁判に関連して行われた。 「プルーフ・オブ・ワークは、信頼できる第三者なしでP2P送金可能なe-cashを機能させるために私が見つけた唯一のソ
昨年11月、NHKでビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」をテーマにした番組が放送された。企画段階から関わり、出演シーンが番組の流れをナビゲートするような役割を担ったのが慶應義塾大学経済学部教授の坂井豊貴氏だ。2020年1月に年始のインタビューに登場していただいてから4年。その間のビットコインや暗号資産の動きをどう捉えていたのか、現在の状況をどう考えているのかを聞いた。 金融緩和の壮大な社会実験 ──昨年11月にNHKでサトシ・ナカモトをテーマにした番組が放映されました。企画段階から関与され、出演シーンも多くありましたが、反響はいかがでしたか? 坂井:暗号資産・ブロックチェーン仲間が結構見てくれました。ビットコインをはじめ、暗号資産やブロックチェーンにハマって一番良かったことは同好の士と会えたこと。価格が上がるのもいいですが、下がったときも「冬は冬で楽しい」などと話します。そうした人た
イーサリアムの共同創設者ヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、3年前にブロックチェーンの計算負荷の多くを「ロールアップ」とも呼ばれるレイヤー2ネットワークに移行させることを主張したが、最近機能の一部をメインチェーンに戻す計画を発表した。このアイデアは「安置されたzkEVM」と呼ばれている。 ゼロ知識証明とEVM ポリゴン(Polygon)、マター・ラボ(Matter Labs)、スクロール(Scroll)の「ZK(ゼロ知識証明)ロールアップ」を含む著名なレイヤー2プロジェクトが、以前のロードマップを実現するために多額の投資を行ってきており、ブテリン氏の「安置されたzkEVM」は破壊的なものとなる可能性がある。新しいネットワークはすでに稼働し、プロジェクトリーダーは開発者の採用に取り組んでおり、すでにユーザーから数十億ドル規模の入金を集めている。 「zkEVM」は、将
イーサリアム財団のセキュリティ研究者であるデビッド・セオドア(David Theodore)氏の典型的な1日は、世界最大のスマートコントラクトブロックチェーンであるイーサリアムでクラッシュが起きていないかチェックすることから始まることが多い。 その後、彼と同僚はイーサリアムを壊す仕事に取り掛かる。 「私たちのゴールは、できれば他の誰かが壊す前にイーサリアムを壊してしまうことだ」 33歳のセオドア氏は、6月に発表されたプレゼン資料によると、イーサリアム財団のセキュリティ研究チームに所属する約10人のコンピュータエンジニア兼サイバーセキュリティ専門家の1人だ。 彼らは、一部のブロックチェーン専門家が、将来、グローバル規模でデジタルな分散型金融システムの基盤になると見ているイーサリアムネットワークの究極の維持者であり、守護者でもある。 イーサリアム財団は、イーサリアム創設者のヴィタリック・ブテリ
「持続可能なPlay to Earn」とは? ビットコインから着想を得たブロックチェーンゲームに込めた思いを聞く:コロプラ創業者・馬場氏独占インタビュー 7月25日に開催されたカンファレンス「WebX」に、コロプラの創業者であり、その傘下でブロックチェーンゲーム開発を手がけるBrilliantcrypto代表取締役社長でもある馬場功淳氏が登壇。「持続可能なPlay to Earn」を掲げる同社にとって、第一弾のブロックチェーンゲームとなる「Brilliantcrypto」を発表した。宝石をマイニングし、宝石はNFTとして取引も可能、さらに報酬としてトークンも手に入るという。トークンはコインチェックでのIEOが予定され、ゲーム同様グローバルな展開を目指す。 「位置ゲー」という新しいジャンルを生み出した馬場氏が、ブロックチェーンゲームに込めた思いとは、どんなゲームを目指したのか、コインチェック
7月25日、東京国際フォーラムで開催されたWeb3カンファレンス「WebX」の基調講演に岸田文雄首相がビデオ登壇。政府として「Web3の推進に向けた環境整備」に取り組んでいることをアピールした。 ビデオメッセージの中で岸田首相は「先日取りまとめた骨太の方針2023においても、利用者保護等にも配慮しつつ、Web3にかかるトークンの利活用やコンテンツ産業の活性化にかかる環境整備、担い手やアイデアの裾野の拡大に取り組むことなどを盛り込んでいます」と述べた。 また「日本の大手企業の手によって、メタバース空間に価値ある経済圏を生み出す意欲的な大型プロジェクトが世界に向けて発表されると聞いており、Web3業界に再び注目ととエネルギーを取り戻す、さまざまなプロジェクトが本日のイベントから生まれることを期待しています」と語った。 岸田首相の前には、自民党政調会長の荻生田光一氏が開会挨拶に登壇。首相と同様に
ペペコイン(PEPE)の目眩がするような急上昇──ほんの数週間前に登場し、すでに時価総額が10億ドル(約135億円)を超える──は、悪い結果に終わる一時的な流行に過ぎないとの警告を気にしない人たちに巨大な富を与えている。 典型的な例は、dimethyltryptamine.ethという匿名トレーダーが、わずか3週間前に263ドル(約3万6000円)で数兆個のPEPEを購入したことだ。ブロックチェーン調査企業アーカム・インテリジェンス(Arkham Intelligence)のデータによると、同氏は売却したPEPEから380万ドル(約5億1300万円)の利益をあげ、残りの保有資産には約900万ドル(約12億2000万円)の価値があるという。ほぼ500万倍の利益だ。同氏は、4月14日に263ドルで5兆907億のPEPEを購入したという。 PEPEは、暗号資産トレーダーに人気のミーム「pepe
Ordinalsで構築され、ビットコインベースチェーン上に保存されるトークン規格「Bitcoin Request for Comment」、別名BRC-20への関心が急上昇し、そのトークンの市場価値が数百%上昇した。 Ordinalsを構築したOrdspaceが追跡したデータによると、8800個以上のBRC-20の時価総額は1億3700万ドル(約188億3000万円)で、1週間前の1750万ドル(約24億円)から682%という驚異的な上昇を記録している。また、5月2日の早朝、同サイトは一瞬、時価総額を29億3000万ドル(約4027億円)と表示した。しかし、Ordspaceはこの数字は正確ではなく、一部のトークンの流動性が低いことが原因だろうと述べている。 Domoという匿名のオンチェーン・アナリストは、ビットコイン・ブロックチェーン上でのファンジブル・トークンの発行と転送を容易にするため
古くからの暗号資産(仮想通貨)保有者の間で、厄介な問題が発生しているようだ。Web3インフラの最も重要なパートの1つに影響が出ている。メタマスク(MetaMask)だ。 5000イーサリアム(ETH)以上、約1050万ドル(約14億2000万円、1ドル135円換算)相当が12月以降、さまざまなノンカストディアル・ウォレットを使っているベテラン暗号資産保有者たちから盗まれた。 暗号資産に懐疑的なニュースサイトProtosが、イーサリアム・ウォレット管理ツール「MyCrypto」の創業者テイラー・モナハン(Taylor Monahan)氏による非公式な調査を引用して伝えた。 狙われるベテランたち メタマスクやインフラ(Infura)など、イーサリアムのオープンソースツールの大半を開発したソフトウェア企業コンセンシス(ConsenSys)の開発者たちは被害の状況を調査中。どうやら、暗号資産のセル
ドージコイン(DOGE)は4月3日、イーロン・マスク氏率いるツイッターがウェブサイト上のよく知られた「青い鳥」のロゴをドージコインの象徴である「柴犬」のロゴに変更したことを受けて、35%以上上昇。ロゴ変更の直前の約0.077ドルから、0.1046ドル付近まで上昇した(日本時間4日7時30分頃には0.0945ドル付近)。 CoinDeskのデータによると、0.1ドルを超えたのは2022年12月以来。 マスク氏はドージコインにたびたび言及し、ビットコイン(BTC)よりも優れた決済機能を提供し得るとアピールしている。1月、フィナンシャル・タイムズは、ツイッターが決済機能を構築していると報じた。CEOを務めるマスク氏は、ツイッタまずは法定通貨での決済機能を考えていたが、暗号資産の追加も考えたという。 ロゴ変更から1時間ほど後、マスク氏は最初の公的なコメントとして漫画の画像をツイートしている。 pi
シンガポールに拠点を構えるデジタル資産運用企業Growが2月、「ビットコイン・レンディング・年8%報酬」という高レートを掲げ、日本のレンディング市場に参入した。打ち出すのは「Make Crypto Simple(暗号資産を簡単に)」というド直球のメッセージ。取引用スマホアプリも、その名に違わず極めてシンプルな作りのため直感的に使いやすくなっている。 長く続く低金利時代を生きている感覚からすると、「ビットコインのレンディングで年8%報酬」という事実には驚くかもしれない。実のところ、これは暗号資産レンディング・サービスの中でも、かなりの高レートだ。彼らはどうやってこのサービスを実現させているのか? CEOのショーン・キム氏に秘密を語ってもらった。 なお、インタビューは主に英語で行われたが、韓国出身のキムCEOの口からは時折、とても自然な日本語のフレーズが飛び出てきた。実はキムCEOは日本に対し
分散型SNSスタートアップのNostrは、ツイッターに似たアプリ「Damus」をアップルのApp Storeに掲載した。 Nostrは、検閲に強いグローバルSNS構築を目指すオープンプロトコル。評論家のなかには、イーロン・マスク氏率いるツイッターに代わる可能性があると発言する人もいる。Nostrは、ビットコイン・ライトニングネットワークによる決済をサポートしていることもあり、ビットコイナーに人気があると言われている。 App Storeに登場した「Damus」(Apple) 昨年、Nostrに開発資金として約14ビットコイン(当時、約24万5000ドルに相当)を寄付したツイッターの元CEOジャック・ドーシー氏は1月31日、DamusのApp Storeデビューを「オープンプロトコルのマイルストーン」と称賛した。当記事執筆時点で、このツイートは210万回閲覧されている。 a mileston
インスタグラムは月間アクティブユーザーが約20億人と、世界でも最大のSNSプラットフォームの1つ。親会社のメタ(旧フェイスブック)は昨年、限られたユーザーがデジタルウォレットを接続し、作成または購入したNFTを紹介できる機能のテスト運用を開始した。 NFTクリエーターやコレクターは、Web3に興味を持つ消費者に自身のNFTをアピールできるチャンスとなると考え、この機能は人気を集めた。またインスタグラムがサポートしたことで、NFTがようやくメインストリームに普及すると示唆する声もあった。 テスト運用で完売続出 クリエーターエコノミーを取り込みたいと考えるインスタグラムは、ポジティブなフィードバックに励まされ、デジタルコレクティブル機能を徐々に拡大し、一部のデジタルアーティストがプラットフォーム上で直接NFTを発行、販売できるようにした。 インスタグラムのようなプラットフォームにNFT取引機能
昨年12月、米CoinDeskエグゼクティブディレクターのエミリー・パーカー氏が来日、日本の暗号資産業界の現状と、Web3戦略やその取り組みをその目で確認した。パーカー氏が捉えた日本のWeb3の現状と将来は、どのようなものだろうか。 「多くの国が逆風に立ち止まり身をすくめる中で、暗号資産業界の苦難を幾度も目の当たりにしてきたわが国だからこそ果たせる役割がある」 自民党のweb3プロジェクトチームの提言にはそう書かれている。言い換えれば、他国が危機を恐れるなか、日本はチャンスと考えている。 最近、東京を訪れたが、日本がどれほど世界と異なっているかを言い表すことは難しい。FTXの破綻やそれに先立つ一連の暗号資産の下落に特に動揺している様子はなかった。FTXの破綻は「政策決定に何の影響も与えていない」と自民党web3プロジェクトチーム(web3PT)の座長を務める衆議院議員、平将明氏は語った。
NFTは多くの場合、JPEG画像と結びつけられているが、実世界でのユースケースは進化を続けている。 昨年、NFTへの関心が急速に高まるなか、特にプロフィール画像(PFP)NFT、つまりソーシャルメディア上でアバターとして使用できるNFTが注目を集めた。 NFTブームの絶頂期には、ラーバ・ラボ(Larva Labs)のNFTプロジェクト「クリプトパンクス(CryptoPunks)」に影響を受けたPFPプロジェクトが、ツイッター、あるいは「OpenSea(オープンシー)」などのマーケットプレースを席巻。ジェネレーティブ(生成)アートなど他のタイプのNFTも人気が高まっていた。 アートに特化したNFTプロジェクトは、コレクターの間で人気を保ち続けているが、多くのクリエーターは実世界での体験や特典をNFTに追加している。こうしたコンセプトは「ユーティリティ(実用性)」と呼ばれ、単なるコレクティブル
ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)など、主要暗号資産は2023年現時点まで、きわめて幸先の良いスタートを切っている。ビットコインは年初から約36%上昇、イーサリアムも約30%上昇した。 暗号資産市場が「底を打った」と考える理由はますます力強くなっている。マクロ経済データにも、今年は2022年の詐欺や大惨事の連続に比べて、はるかに明るい年になると示すものがある。 基本的なトレンド これがおそらく、暗号資産が底を打ったとする根拠として最も説得力が強いものだろう。悪人と、その影響を伝播させるようなレバレッジ投資の影響はもう出し切った、というものだ。 心理的なレベルでは確かに、アレックス・マシンスキー(Alex Mashinsky)氏やドー・クォン(Do Kwon)氏、スリー・アローズ・キャピタル(Three Arrows Capital)やサム・バンクマン-フリード(Sam Bank
自民党デジタル社会推進本部は12月16日、web3プロジェクトチーム(web3PT)がまとめた「web3政策に関する中間提言」を発表した。10月から10回にわたって開催されたweb3PTにおける議論の方向性が記されている。 自民党のWeb3に対するアプローチ 自民党は2022年1月、NFT関連の政策を議論するために「NFT政策検討プロジェクトチーム」(NFT政策検討PT)を発足させ、4月に「NFTホワイトペーパー」を発表した。 一方、NFTはWeb3における一要素に過ぎないことから、党内ではWeb3の包括的な議論を求める声が高まり、NFT政策検討PTはweb3PTに改組、今回の中間提言は、その後の議論の内容がまとめられたものだ。 8つの重要テーマに提言 中間提言は、Web3関連の重要テーマに関する提言骨子として、以下の8つをあげている。 トークンによる資金調達を妨げない税制改正個人が保有す
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