空也上人立像。僧侶の肖像彫刻として、こんなに多くの人に愛されているお像は、他にはなかなかないのではないでしょうか。 人びとを救うために行脚しながら、南無阿弥陀仏の念仏を唱えている様が表され、 その念仏の一語一語がほとけ様となって、口の中から現れて出て来ているという奇跡を、立体として具現化しています。 一度見たら忘れられない、抜群のインパクトです。 重要文化財 空也上人立像 康勝作 鎌倉時代・13世紀 京都・六波羅蜜寺蔵 ︵写真=城野誠治︶ この像が作られたのは、空也上人が生きた平安時代から250年近くを経た鎌倉時代のはじめ。 作者は、鎌倉時代の大仏師運慶の四男、康勝︵こうしょう︶。像内に﹁僧康勝﹂という署名と花押︵サイン︶が記されており、康勝が20歳そこそこの時につくったとみられます。 ﹁僧康勝︵花押︶﹂の墨書銘︵空也上人立像の像内腹部︶ 写真提供‥奈良国立博物館 それ以外の制作背景につい
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