電気代の値上げをめぐって、ドタバタが続いている。東京電力は4月から企業向けの大口電力の料金を値上げする方針を表明したが、西沢社長が記者会見で﹁料金の申請というのは、われわれ事業者としての権利ですので・・・﹂と述べたことが利用者の反発を呼び、西沢氏は1月31日、古川経済財政担当相に﹁至らぬところがあった﹂と謝罪した。 しかし西沢氏の発言は正しい。大口電力︵50kW以上︶は自由化されているので、政府に料金を認可する権限はなく、東電は自由に値上げする権利があるのだ。それがいやなら、利用者は他の独立系発電会社(PPS)に変更すればいい、というのが原則論である。 問題は、競争が起こっていないことだ。PPSなど電力会社以外の販売電力量シェアは、全国で3.5%しかない︵2010年︶。この最大の原因は、電力会社がPPSから徴収する託送料︵送電線の使用料︶が高いことだ。託送料は規制料金だが、高圧電力で4.8
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