為替市場において円高が進んでいる。マイナス金利が発表された直後は、1ドル=120円まで下落したものの、その後、マイナス金利の弊害が強く意識されるようになり、一気に円高となった。ニュースには﹁安全資産への逃避﹂﹁リスクオフ﹂などの見出しが並んだが、日米欧の中でもっとも景気が悪い日本市場が避難先という話には、違和感を覚えた人も多いかもしれない。現在、円高は一服しているが、しばらくは混乱が続く可能性が高い。ここは少し冷静になり、為替市場のメカニズムについて理解を深めておくことが重要だろう。 ︻参考記事︼マイナス金利で日本経済の何が変わるのか 理論的な為替レートを超えて円安になることはない 為替は様々な要因で動いているので、一概に何によって為替が決定されているのかについて示すことは難しい。為替を動かす要因としては、﹁二国間の金利差﹂﹁マネー供給量﹂﹁物価﹂などがあるが、これに加えて経常収支の動向や