今年5月28日をもって塾長に就任した理工学部教授の伊藤公平氏に、今後の慶大のビジョンをテーマに話を聞いた。伊藤氏の専門分野は量子コンピュータで、計算機の発展を支える技術を研究している。幼稚舎から慶應義塾で学び、1989年に慶大理工学部計測学科を卒業後、1994年にカリフォルニア大学バークレー校工学部でPh.Dを取得。翌年から慶大理工学部の助手、専任講師、助教授を経て、2007年に教授に就任。以後理工学部長や評議員、庭球部部長など、慶大内外でさまざまな役職を歴任してきた。 ―ご自身はどのような塾生でしたか 幼稚舎時代から福澤先生の言葉を教わる機会が多く、世界を目指さなければいけない、という思いが漠然としてありました。普通部、塾高、大学と進むたびに外部から勉強のできる生徒が入って来て混ざり合う環境が、自分の多様性を形成する原動力になっていたと思います。 ―塾長の仕事を教えてください 平和的に持