1 イノベーション・ダイヤグラム 本コラムでは、山口(注1)が提唱するイノベーション・ダイヤグラムの考えを基に、主要国においてどの分野で技術革新が生じつつあるのかを俯瞰する。 山口によると技術イノベーションを成就させるプロセスは、まずは2つからなる。1つは「知」を創造する知的営み、もう1つは「知」を具現化して価値(経済価値ないし社会価値)を創造する知的営みである。 この「知の創造」と「知の具現化(価値の創造)」の2つのプロセスを、図1に示すように2軸に分解し、2次元平面で表したものがイノベーション・ダイヤグラムである。この図で、経済的・社会的に価値付けられた「知」と、いまだ価値付けられていない「知」との境界線を水平に引いておく、その境界線の上の領域が前者(経済的・社会的に価値付けられた「知」)、下の土壌の領域が後者(いまだ価値付けられていない「知」)である。「知の創造」なる知的営みは、常に
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