なぜ﹁キュリー夫人﹂なのか。ノーベル賞を二度も受賞しながら、呼ばれるときは﹁キュリー夫人﹂。夫の姓で呼ばれ続けなければならないのか。 こんな疑問が出るようになったのも、女性というだけで差別を受け、﹁女は夫に従うもの﹂という常識がおかしいことに、最近ようやく気づく人が増えてきたからのことなのです。そんな女性差別の中で、マリ・キュリーは研究を続け、学界の不条理とも戦ってきました。そんな彼女の良き理解者がピエール・キュリーでした。 ピエールとマリのキュリー夫妻は、夫婦で放射能についての研究に没頭。創設されたばかりのノーベル物理学賞を夫婦で受賞します︵1903年︶。 夫の死後、今度はマリ・キュリーが単独でノーベル化学賞を受賞します︵1911年︶。 彼女はノーベル賞を受賞した初の女性物理学者であり、ノーベル賞を2回受賞した初の科学者です。その後、やはり2回受賞する人も出てきますが、全員男性。女性科学
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