コロナ禍で苦境にある旅行業界を活性化するための「GO TOトラベル」キャンペーンがさんざんなことになっています。これについてはすでに多くの批判がありますが、それをひと言でまとめるなら「場当たり的」になるでしょう。 なぜこんなことになるかというと、新型コロナ対策を「感染抑制」と「経済活動再開」のジレンマ(トレードオフ)にしてしまったからです。感染を防ごうと緊急事態宣言を出せば飲食業や観光業、イベント関連などの事業者が苦境に陥り、かといって経済活動の再開を急ぐとクラスターが発生し感染が拡大してしまいます。「あちらを立てればこちらが立たず」のこの関係がジレンマです。 それに対してトリレンマは、「3つの条件を同時に満たすことができない」ことで、「国際金融のトリレンマ」がよく知られています。「自由な資本移動」「為替相場の安定」「独立した金融政策」の3つを同時に実現することはできないという定理で、先進
数々のヒット曲をもつシンガーソングライターが覚せい剤所持の疑いで再逮捕されました。本人が使用を否定していることもあり、現時点では真偽はわからないので、ここでは別の視点からこの問題を考えてみましょう。 日本や東アジアは薬物に対して厳しく、世界的に合法化が進む大麻ですら刑務所に放り込まれ、薬物の密輸で死刑になる国もあります。それと同時に、薬物の使用は道徳的に許されないこととされており、芸能人ならCMの中止や番組の降板などきびしい社会的制裁を加えられます。 ところで、「道徳」とはいったい何でしょう? 学校は30人ほどの子どもたちを集めてクラスをつくりますが、これはお互いの名前や性格を覚えられる上限であると同時に、1人の教師が管理できる限界だからです。これ以上、人数が増えると「そんな奴いたっけ?」ということになり、ずる休みしたり好き勝手なことをしていてもわからなくなります。 それにもかかわらず、大
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