ブックマーク / bunshun.jp (7)
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◆◆◆ 一進一退の戦場 ――まず、ウクライナの直近の戦況について、小泉さんの見解は?︵※インタビューは7月15日︶ 小泉悠さん︵以下、小泉︶ 一進一退と思います。どちらも大勝ちできる状況にない。ロシア軍は火力が非常に強力で、要するに大砲やロケット砲の数というか、分厚さが半端ない。今は東部のドンバスを中心に真っ平らな地形で戦っているから、遠距離からロシア軍に一方的にやられてウクライナ軍は勝てていない。 ところが、ウクライナ軍はもともと軍隊が約20万人でその他の治安部隊は10万人、計30万人くらいの軍事力だったのが、今は動員で100万人に膨らんでいる。数の上ではものすごく大きな軍隊を持っているので、簡単には負けない。 ただ、ロシア軍に勝てないし、遠距離で戦うと圧倒的にロシア軍の方が強い。一方、ロシア軍は大砲で叩けるけど、占領する兵隊がいない。陸軍種の最大の機能は土地を占領することですが、ロシア
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韓国出身・大阪在住のラッパーMoment Joon氏は、韓国での懲兵体験や、入国管理局の差別的な対応など、現代社会の諸問題にもつながるさまざまなトピックをリアルに歌い、シーンの内外から注目を集める存在だ。そんな同氏が大阪大学音楽学研究室の修士論文執筆にあわせて研究したテーマは﹁アメリカと日本の大衆音楽における差別用語の使用︵主にヒップホップを中心に︶﹂だった。 ここでは、同論文の一部が収録されたMoment Joon氏の著書﹃日本移民日記﹄︵岩波書店︶を抜粋。楽曲における差別用語使用を﹁誰が何を指すために用いるのか﹂という軸で行った分析、そして﹁日本のヒップホップにおける差別用語の使用事例﹂の実態を紹介する。︵全2回の2回目/前編を読む︶ ◆◆◆ Moment Joonの﹁チョン﹂ ﹃差別用語の基礎知識’99﹄は﹁チョン﹂の起源を﹁バカチョン﹂であるとして、それ自体には朝鮮人と関係する意味
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異様に赤茶けた浴室、漂う石油くさい匂い、触るとピリピリしびれるようなお湯……。日本には、そんなエッジの効いた温泉が隠れている――。 日に日に寒くなってきたこの頃、お風呂で肩まで湯に浸かりたい季節がやってきた。家のお風呂やスーパー銭湯のみならず、近年のレトロブームで懐かし温泉も注目を集めている。 そんな長い年月営業している﹁秘湯﹂では、思わずぎょっとしてしまうような﹁月日の蓄積﹂が見られることがある。今回は日本各地の知られざる温泉を探訪した異色の書﹁侘寂温泉﹂シリーズ︵辰巳出版︶の執筆者で、写真家・文筆家の魚谷祐介氏に、全国各地にあるそんな思わず二度見してしまうような﹁ヤバい温泉﹂ベスト10を選んでもらった。
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ライオンの頭を無防備になで、ワニの口に笑顔で頭を入れる。ライオンに右手の中指を食べられてもまったく懲りる気配すらない。“動物愛”という枠を大きくはみ出した畑さんの生き方は日本中を魅了した。1980年に始まった﹁ムツゴロウとゆかいな仲間たち﹂はあっという間に人気番組になり、平均視聴率は20%に迫った。 しかしTVシリーズは2001年に終了し、2000年代後半には北海道の中標津から東京のあきる野市に移転した﹁ムツゴロウ動物王国﹂も閉園。3億円とも言われる巨大な借金を抱えたが、それもあふれるバイタリティで完済し、現在は40年前に移り住んだ北海道の中標津にある大自然に囲まれたログハウスで生活している。
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神戸の中心で、最大の繁華街である三宮。この町では今、神戸市によって高度経済成長期以来、半世紀ぶりとなる大規模な﹁再整備﹂︵再々開発︶が急ピッチで進められている。 コロナ禍の今年4月にも、阪急﹁神戸三宮﹂駅の上に高さ120メートルの﹁神戸三宮阪急ビル﹂が開業。来年度以降には、西日本最大級となる、高層ツインタワーのバスターミナルの着工も予定されている。 ところが不思議なことに、その三宮の“玄関口”にあたる、三宮センター街﹁1丁目﹂の大型商業ビル﹁さんプラザ﹂だけが、なぜか再整備の波から取り残されているのだ。︵集中連載第1回/#2に続く︶ 建て替えを阻む“訴訟問題” 同ビルは1970年、戦後の闇市の流れを汲む同地域の再開発事業の一環として、神戸市によって建てられた地下2階、地上10階建ての区分所有ビルだった。 しかし、95年の阪神・淡路大震災で高層階の8階部分が圧壊し、7~10階部分が解体撤去。
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﹁そのようなことはしていない、と私は信じている。 その一言につきます﹂ 先週号︵2012年5月31日号︶の週刊文春スクープを受け、映画﹁ヘルタースケルター﹂の蜷川実花監督 ︵39︶は同映画のPRキャンペーンの会見で、こうコメントした。 先週、週刊文春が報じたのは、 女優・沢尻エリカ︵26︶の大麻使用の過去と、現在も疑われている継続的使用。 前回の取材では、沢尻の夫である高城剛氏︵47︶から回答を得られなかったため、5月下旬、出張先の中国・北京から帰国したばかりの高城氏を直撃した。 高城剛氏 ©文藝春秋 ◆◆◆ ﹁あの書類︵通知書︶は、間違いなく本物ですよ﹂ ﹁文春の記事は読みました。あの書類︵通知書︶は、間違いなく本物ですよ。蜷川さんも事実を知っているはずなのに、なぜ隠そうとするんですかね。僕はエリカから、︵蜷川監督に︶早い段階で伝えられたと聞いています。 僕は、この件がスポーツ紙やテレビ
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ますます厳しくなるウイグル人への締め付け トルコ系のウイグル人が多く住む新疆は、チベット・内モンゴルなどと並び、20世紀なかば以降にやっと中国政府による直接支配が確立した地域なので、少数民族の間では独立や自治獲得を望む意向が強い。 だが、中国では1989年の六四天安門事件後、国家の引き締めのために漢民族中心主義的なナショナリズムが強化され、また経済自由化のなかで辺境地帯の資源・都市開発や漢民族による移民が進んだ。結果、2010年前後からは追い詰められた少数民族による大規模な騒乱が増えた。 少数民族のなかでも、イスラム教を信仰するウイグル人は、中国共産党にとっては﹁党以外の存在﹂に忠誠を誓っているように見える。彼らは人種や文化習慣の面でも漢民族との隔たりが大きく、中央アジアや中東との結びつきも強いことから、他の少数民族以上に強い警戒を持たれている。 結果、近年のウイグル人への締め付けはいっそ
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