ブックマーク / note.com/quantumuniverse (14)

  • 古典確率とフォンノイマン鎖の「意識」の話|Masahiro Hotta

    量子力学は情報理論であるため、所謂「観測問題」というものもそもそも無いことが、下記のように現在では分かっています。 粒子の位置や粒子数などは素朴な実在ではなく、その確率分布だけで記述される情報的な対象であるのです。実はこのような情報理論的な考え方の萌芽は、前世紀初頭にフォンノイマンやウィグナーが既に持っていました。しかし彼らの話の中には、観測過程の終端として、観測者の「意識」が含まれていたために、多くの研究者がそれに反発をし、「量子力学は情報理論」という理解に至ることは当時ありませんでした。 その後、多数の量子力学の精密実験がなされ、特にベル不等式の破れの実験的検証にも成功をしたために、量子力学は素朴な実在論的理論ではなく、実在を伴わない情報理論であることが現在では明確になっています。 フォンノイマン=ウィグナー流の考え方には「意識」の存在が入ってはきますが、それは科学という人間の営みのス

    古典確率とフォンノイマン鎖の「意識」の話|Masahiro Hotta
  • マーミンの魔法陣と量子力学での実在性の否定|Masahiro Hotta


     2022  
    マーミンの魔法陣と量子力学での実在性の否定|Masahiro Hotta
  • ニ重スリット実験: 量子力学では、意識を向けると電子は粒子になり、向けないと波になるのか? |Masahiro Hotta


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    ニ重スリット実験: 量子力学では、意識を向けると電子は粒子になり、向けないと波になるのか? |Masahiro Hotta
  • ブラックホールに落下する物体は永遠に外から見えるのか?|Masahiro Hotta

    物理学の教科書でブラックホールを学ぶとき、最初に出会う驚きの記述のひとつは「事象の地平面の外から見ていると、ブラックホールに落下する物体の運動はだんだんと遅くなり、決してその地平面を過るところは見られない」というものではないでしょうか?しかしこの記述は時空への反作用を与えない仮想的なテスト粒子に対してだけ正しく、エネルギーをもつ現実の物体には正しくないのです。実際には、ある有限の時間でその物体がブラックホールに吸い込まれる場面が外部からも観測できます。 質量がMである球対称なブラックホール解は下記の数式で与えられています。(以下では重力定数をGとします。また光速度cは1にする単位系で書きます。) この動径座標rは、r=一定としたときの以下の球面面積A(r)で幾何学的に特徴づけられています。 つまりその球面面積を測れば、その場所の座標rの値が物理的にわかるのです。 図1このブラックホール時空

    ブラックホールに落下する物体は永遠に外から見えるのか?|Masahiro Hotta
  • 量子テレポーテーションは、送信者から見たらモノの本当の瞬間移動である|Masahiro Hotta


    調 11
    量子テレポーテーションは、送信者から見たらモノの本当の瞬間移動である|Masahiro Hotta
  • 粒子なのか、波なのか?-量子力学的な対象の記述-|Masahiro Hotta


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    粒子なのか、波なのか?-量子力学的な対象の記述-|Masahiro Hotta
  • トンネル効果:「机をたたき続けると手がすり抜ける」という説明について|Masahiro Hotta

    一般向け書籍やメディアで物理学者が量子力学のトンネル効果を説明をするときに、「机の表面を叩き続けると、手がすり抜けます」と解説することがあります。これはもちろん分かりやすさのための方便ですが、大雑把にその物理の面白さを伝える良い説明として、広く定着しています。 トンネル効果は主にミクロな対象で起きることが知られており、例えばコンピュータ内の超微細な集積回路では、このトンネル効果のために電子が隣の導線に飛び出して漏電を起こし、高熱を発しています。 ところが「手」のようなマクロな対象がトンネル効果を示す確率は、例えば10のマイナス10の33乗々(つまり10^(-10³³))程度の小ささになったりします。これは現実的には零ですね。 もし生真面目な人が手のトンネル効果を確かめようとしたときに、実際には何が起きるのでしょうか。もちろん自分の手で何回も机を叩いても、よほど(よほど!)運がよくない限り、

    トンネル効果:「机をたたき続けると手がすり抜ける」という説明について|Masahiro Hotta
  • ベル不等式の破れはモノ自体の実在性を否定している|Masahiro Hotta

    ベル不等式の破れは「そこにモノがある」ということを否定したのではなく、モノは実在してるのだけど、そのモノの物理量の実在性だけを否定したのだと説明する人が居ますが、それは間違った主張です。例えば電磁場の量子論で、光子という「モノ」の実在性を考えてみましょう。 『入門現代の量子力学』(講談社サイエンティフィク)の第1章にも書きましたが、ベル不等式の簡略版であるCHSH不等式を破る量子もつれ状態が作れる量子系ならば、どんな系でも隠れた変数の存在は実験で否定されます。それは量子的な電磁場の系でも同じです。 例えばある場所Aに「光子がいない」という局所真空状態|A0>と「光子が1つ存在している」という局所励起状態|A1>を考えてみましょう。この2つの状態ベクトルは互いに直交し、そして量子論なので、その線形重ね合わせ状態c(0)|A0>+c(1)|A1>も実験で用意可能です。これは光子が存在しない無の

    ベル不等式の破れはモノ自体の実在性を否定している|Masahiro Hotta
  • 意識は量子ゼノン効果を起こさない|Masahiro Hotta


     
    意識は量子ゼノン効果を起こさない|Masahiro Hotta
  • 量子力学と自由意志|Masahiro Hotta


    宿使AI 1
    量子力学と自由意志|Masahiro Hotta
  • ある1つの時間の矢のパラドックス ~時間反転星に地球から宇宙船が到着する時~|Masahiro Hotta

    ニュートン方程式やシュレディンガー方程式などの物理学の基礎方程式には時間反転対称性があるので、人間も含めた地球の物質全部の運動を時間反転させたその方程式の解がいつも存在しています。その反転を行った場合には、まるでフィルムの巻き戻しのようにエントロピーが下がる方向へと時間は流れます。しかし人間が意識する時間の矢(時間の向き)自体はエントロピーが増加する方向に時間が流れると感じると考えられます。人間の時間の向きは、人間が記憶する情報が増加する方向になるのが自然だからです。新しいことを学んで、知識、情報が増えるのは「未来」であると自然に感じるためです。 この前提を踏まえると、次のようなパラドックスを考えることができます。ある星の物質全体の運動が地球に対して時間反転をしているとします。地球からその星へ宇宙船を飛ばして着陸させて、その地球人クルーをその星の宇宙人と会話させたり、手を握ったりさせましょ

    ある1つの時間の矢のパラドックス ~時間反転星に地球から宇宙船が到着する時~|Masahiro Hotta
  • 量子力学は誰のもの? ~実在論ではない認識論的な量子力学~|Masahiro Hotta

    現代物理学の量子力学とは似ても似つかない疑似科学としての"量子力学"の記事が、ネット上では増えています。実際には物理学の量子力学は「引き寄せの法則」などとは無縁です。量子力学の「観測問題」に関わるなんらかの機構に基づき、意識によって対象が変わるとか、量子もつれは非局所性を持ち、引き寄せの法則の源であるという言説も、科学的には全く間違っています。 エネルギー保存則や熱力学第2法則と同様に、この世界では人間は際限なく何でもできるわけではないことが、量子力学を考えるうえでの大事な出発点です。また重要なのは、量子力学のコペンハーゲン解釈です。これは、意識の問題と科学の問題をきれいに切り分ける、とても切れ味のいいナイフの役目をしています。 まず自分がいて、自分の五感やその先にある様々な機械装置も使って、自分にとっての外部世界に刺激を与えてその応答を収集し、その情報を解析するのが科学です。量子力学で特

    量子力学は誰のもの? ~実在論ではない認識論的な量子力学~|Masahiro Hotta
  • なぜ我々は過去を記憶しているのに、未来を記憶していないのか?|Masahiro Hotta


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    なぜ我々は過去を記憶しているのに、未来を記憶していないのか?|Masahiro Hotta
  • 物理学における「実在」は存在していない  ~現代物理学事情(量子力学編)~|Masahiro Hotta


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    物理学における「実在」は存在していない  ~現代物理学事情(量子力学編)~|Masahiro Hotta
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