量子力学は情報理論であるため、所謂「観測問題」というものもそもそも無いことが、下記のように現在では分かっています。 粒子の位置や粒子数などは素朴な実在ではなく、その確率分布だけで記述される情報的な対象であるのです。実はこのような情報理論的な考え方の萌芽は、前世紀初頭にフォンノイマンやウィグナーが既に持っていました。しかし彼らの話の中には、観測過程の終端として、観測者の「意識」が含まれていたために、多くの研究者がそれに反発をし、「量子力学は情報理論」という理解に至ることは当時ありませんでした。 その後、多数の量子力学の精密実験がなされ、特にベル不等式の破れの実験的検証にも成功をしたために、量子力学は素朴な実在論的理論ではなく、実在を伴わない情報理論であることが現在では明確になっています。 フォンノイマン=ウィグナー流の考え方には「意識」の存在が入ってはきますが、それは科学という人間の営みのス
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