今年もメジャーリーグで、大谷翔平選手が圧倒的な存在感を見せつけファンを魅了している。打って良し、投げて良しの二刀流。僕ら世代が考えていた野球とは、まったくかけ離れた世界にいるといって良い。本当にすごい。 僕にとって、彼は現役時代最後に対峙したバッターでもある。その時投じた8球が、﹁黒田博樹から大谷翔平への無言のメッセージ﹂として受け止められているのだと、メディアの報道を通じて最近知った。 大谷選手が﹁ほぼ全球種を打席で見ることができた。間合いやボールの軌道が勉強になった﹂と言ってくれていたらしい。何しろ普段から自分に関わる報道は目に入れないようにしていたので、これまで知る機会がなかった。 大変光栄に思うと同時に、﹁いや、あれは大谷選手自身が僕から引き出してくれたものだったんですよ﹂と言いたい。意図的に球種の幅を見せよう、なんて余裕はなかった。6年ほど前のことなので細かいことは覚えていないが
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