安倍元首相銃撃事件を受けて 2022 年 7 月に 「父、 文鮮明のこと——負の現人神」 という記事を書いた。 だいたい次のような話だ。 終戦後、 天皇という家父長を失った朝鮮半島に再臨の現人神あらひとがみを名乗る教祖たちが雨後の竹の子のように生まれる。 はじめはどんぐりの背比べじみたところがあった。 けれどもそのうちの一つが猥褻なミームとしての頭角をあらわし、 感染爆発を引き起こすことになった。 そこでの僕の関心は、 それを邪悪な淫行集団として切り捨てるのではなく、 その背景にあるものを掘り下げることにあった。 その一環として、 極東の近現代史のなかに事件を位置づけることで浮かびあがってくるものを探った。 そこで言いたかったのは、 かつての日本には神のために自身や他人の生をも犠牲にすることのできる 「神の子」 たちがいたということ、 それゆえに安倍元首相銃撃事件によって噴きあがった血塗ら
『公研』2020年8月号 第 606 回私の生き方 富野 由悠季・アニメーション監督 父への疑念 ──「富野由悠季の世界」展が昨年6月より開催されています(現在中断中、再開は9月の予定)。 富野 今回の「富野由悠季の世界」展で「与圧服」の写真を展示しています。これの開発に父が関わっていて、家に資料が残っていました。 この機会でしかできない話を一つさせてください。父の経歴についてです。父は昔の中学を卒業したあと、東京府立化学工業学校(化工)という専門高等学校へ進んでいます。父のアルバムにあった化工の写真を見ると、3階建てのコンクリート校舎の中央に時計塔があり、石積みの外壁の正面には三つのアーチ状の飾りが施された扉がある立派な建物でした。その前に軍人たちが集まっている写真は、子供の頃は軍の部隊写真だと思っていた。ところが、父は「俺の学校なんだ」と言っていました。 僕はそのアルバム写真を子供の頃
「雑」の思想: 世界の複雑さを愛するために 作者:高橋 源一郎,辻 信一 出版社/メーカー: 大月書店 発売日: 2019/01/22 メディア: Kindle版 「雑」の思想 : 世界の複雑さを愛するために 作者:高橋 源一郎,辻 信一 出版社/メーカー: 大月書店 発売日: 2018/11/19 メディア: 単行本(ソフトカバー) おれがどれだけ高橋源一郎に影響を受けてきたかは、今までたくさん書いてきたのでいちいちリンクを貼らない。お前が調べろ。辻信一という人は知らない。 で、いくつかチェックすべきところもあったが、読み終えて数日経ってしまって、「べつにいいか」と思ってしまった。 なんというのだろうか、とくに「スローライフ」だかを唱えている辻さんの方に言えることなんだけれれども、もう「弱さ」も「雑」もねえぜって思ったのだ。そりゃあねえ、資本主義を煮詰めたような世界で、逆に「弱さ」や「雑
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