NHK大河ドラマ﹁龍馬伝﹂がヒットしているようですね。以前も申し上げましたが、歴史は民族が共有するアイデンティティーの根本です。その歴史の中でも、特に人の心に訴える物語は、﹁民族のロマン﹂として、その国の文化における重要な部分、﹁宝物﹂になっているのでしょう。 日本の幕末/明治の物語群のみならず、世界に目を向ければ、アメリカではFounding Fathersと呼ばれる建国の父たちによる、独立革命戦争の故事が、いまでもTea Partyなどという政治運動の名称の由縁になっているわけです。中国には﹁項羽と劉邦﹂、﹁三国志﹂から始まって、この手の物語の宝庫といった観があります。韓国ではやはり李舜臣でしょうか。 幕末の快男児、坂本龍馬の物語に、日本人としてカタルシスを感じることは、もちろん健全なことですが、﹁ブーム﹂などと言われ始めると、根が横着者にできている私には、どうも﹁これで本当にいいのか
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