9月中旬に関東、東北地方を中心に襲った豪雨被害で、流出されそうな家屋の屋根などからヘリコプターで救助される被災者のテレビ映像に見入った人も多かったに違いない。大きな河川の堤防が決壊するという事態を日ごろ全く想像もしなかった人もいたのではないだろうか。河川工学者として現場を観察することの重要性を指摘し、かつ長年、実践し続けてこられた高橋裕(たかはし ゆたか)東京大学名誉教授(今年の日本国際賞受賞者)に、多くの日本人が忘れていることは何か、日本の技術者教育のあるべき姿などについて、聞いた。 - 台風18号の影響による﹁平成27年9月関東・東北豪雨﹂水害で日本中が驚いている観がします。行政、河川技術者、一般の人たちにとっての教訓を端的に言っていただくとどういうことになるでしょうか。 まあ、古い言葉になりますが、﹁備えあれば憂いなし﹂ということでしょうか。備えが十分でなかったということです。水害に
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