ブックマーク / news.kanaloco.jp (2)
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そのベンチは﹁最悪いす﹂と呼ばれている。肘掛けが付き、一人分のスペースに仕切られ、傍らには荷物を置く台もある駅のベンチ。一見、座る人に配慮している。でも…。 ﹁最悪﹂と名付けたのは貧乏旅行を好む旅人たちだった。ろくに宿にも泊まらず、夜汽車で移動し、時に無人駅で寝る。1990年代の初め、そんな旅行者を閉め出すかのように、ベンチに肘掛けが付き始めた。これでは横になれない。 ﹁嫌な感じですよねえ﹂。各地を旅しながらミニコミ誌﹁野宿野郎﹂を編集している横浜出身の野宿愛好家・かとうちあきは言う。﹁でも、無理やり体をはめ込んで寝てる人もいますね。克服しているようで、ちょっとうれしい﹂。旅人は静かに闘っている。 ◇ 建築史家の五十嵐太郎・東北大大学院教授は、肘掛け付きベンチのような存在を﹁排除オブジェ﹂と捉え、背景にある﹁排除の思想﹂を読み解く。例えば、駅や公園にある奥行きの狭い腰掛けは、長時間
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﹁絶滅危惧種﹂がずっと数百円で食べられている。 ﹁輸出が原則禁止され、日本に出回らないはずのウナギが大々的に宣伝され、格安で提供されている。誰がどう考えてもおかしい﹂ ウナギの生態研究に携わる北里大学海洋生命科学部の吉永龍起講師は、あきれたように指摘する。 国内に出回るウナギは、ニホンウナギとヨーロッパウナギの2種がほとんど。ニホンウナギは今年2月、環境省が﹁絶滅危惧IB類﹂に指定した。ヨーロッパウナギは国際自然保護連合︵IUCN︶が絶滅の危険性が最も高い﹁近絶滅種﹂に指定、2009年からは国際取引が規制されている。 だが今年も大手牛丼チェーンのうな丼にはヨーロッパウナギが使われていた。吉永講師は毎年、土用の丑︵うし︶の日を前に飲食店やスーパーのうなぎをDNA鑑定し、種を特定している。﹁その牛丼チェーンに流通経路などを問い合わせたが、回答はない﹂ 流通するウナギは99%以上が養殖
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