ブックマーク / natgeo.nikkeibp.co.jp (7)
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1月20日の皆既月食の様子。左に見える白い光の点が、隕石が月に衝突した地点を示している。︵PHOTOGRAPH BY CHRISTIAN FRÖSCHLIN︶ 米国時間の1月20日、皆既月食で赤銅色に染まった﹁ブラッドムーン﹂を人々が見上げていた時、予期せぬ幸運に恵まれた人たちがいた。隕石が月にぶつかった閃光を目にしたのだ。 ﹁めったに起きない出来事がそろいました﹂と、米ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校の博士号候補生、ジャスティン・カワート氏は話す。﹁このくらいサイズの物体は、だいたい週に1回は月にぶつかっています﹂とカワート氏。だが、この観測が事実だと確認されれば、月食の間にこのような衝突が記録された初の例となるかもしれない。 月食の最中に、観測していたある人が衝突らしき瞬間を発見。ソーシャルニュースサイト﹁Reddit﹂の宇宙コミュニティに投稿し、他のユーザーたちの反応を待った
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──どのようなきっかけで昆虫を好きになったのですか。小さい頃、虫に心奪われた原体験を聞かせてください。 物心ついた頃から昆虫が好きで、小中学生のときにはいっぱしの昆虫少年になっていましたね。 東京生まれだったので、夏休みに伊豆半島などに旅行に連れていってもらうと、東京ではちょっとお目にかかれない、実にいろいろな種類の昆虫と出会うわけです。非日常の虫との出会いに、もう、わくわくしっぱなしで、もし、そういう虫たちがあたりまえのように身近にいる地方で生まれ育っていたら、さほど昆虫に引き寄せられていなかったかもしれないですね。 ──東京では出会えなかった虫というとどんな種類でしょう。男の子がみんな夢中になるクワガタムシとかですか。 いや、クマゼミでした。当時、南方系のクマゼミは東京にはいませんでした。もっと西の地方へ行かないと生息していなかったんです。そのクマゼミの﹁ショワショワショワ……﹂ってい
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木星の衛星エウロパは、分厚い氷の殻に覆われており、その下にある巨大な海には生命が存在する可能性があると考えられている。︵PHOTOGRAPH BY NASA︶ 1995〜2003年まで木星の観測を行っていたNASAのガリレオ探査機のデータから、氷に覆われた衛星エウロパが、宇宙空間に向けて水を噴出していることを示す強力な証拠が見つかり、5月14日付けの学術誌﹁Nature Astronomy﹂にその詳細が発表された。 長年の間、太陽系内で地球外生命体が見つかりそうな場所の最有力候補と考えられてきたエウロパには、表面の氷の下に、地球よりもはるかに多くの水をたたえた海があることが知られている。間欠泉があるなら、宇宙船にその中を通過させるだけで、エウロパの海水から生命の兆候を探せる可能性がある。 それだけでもけっして簡単なこととは言えないが、探査機をエウロパまで飛ばして安全に着地させ、厚さ1.6キ
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古代のネコの遺伝子を分析したところ、ぶち模様のネコは中世になるまでは存在しなかったことがわかった。︵PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK︶ イエネコ︵家畜化したネコ︶の拡散に関する研究の一環として行われたDNA分析から、ネコは人間が家畜化したのではなく、自ら人と暮らす道を選んでいたことが明らかになった。その間、彼らの遺伝子は、野生のヤマネコの遺伝子からほとんど変わることがなく、ささやかな変化のひとつは、かなり最近になってから﹁ぶち柄﹂の毛皮が登場したことくらいだった。︵参考記事‥﹁動物大図鑑 イエネコ﹂︶ 研究者らは、古代ルーマニアのネコの死骸からエジプトのネコのミイラ、現代アフリカのヤマネコに至るまで、過去9000年間に存在した200匹以上のネコのDNA調査を行った。6月19日付けの学術誌﹁Nature Eco
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琥珀の中から9900万年前の恐竜の尾が発見されたとする論文が、12月8日に科学誌﹃カレント・バイオロジー︵Current Biology︶﹄に掲載された。尾には、骨や軟部組織だけでなく、羽毛まで残っていたというから驚異的だ。 恐竜が生息していた時代の羽毛が琥珀の中から発見されることはこれまでにもあり、羽毛の痕跡のある恐竜の化石も発見されたこともあるが、保存状態の良い羽毛が恐竜とはっきり関連づけられたのは今回が初めてだ。この発見により、恐竜の羽毛の進化とその構造についての理解が深まることが期待される。︵参考記事‥﹁恐竜から鳥へ 羽はどうやってできたのか?﹂︶ 中国地質大学の古生物学者リダ・シン氏が率いるこの研究には、ナショナル ジオグラフィック協会のエクスペディション・カウンシルも支援を行っている。 琥珀の中に保存されていた9900万年前の恐竜の尾の一部。羽毛で覆われているのがわかる。琥珀に
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エイリアンのような外見のクシクラゲは、見た目はクラゲと似ているものの、まったく別の動物だ。大きく異なるのは、クラゲがひとつの穴から食事も排泄も行うのに対し、クシクラゲは口とは異なる肛門孔をもつ点で、これがその様子を初めて撮影した映像。新たな研究によると、きわめて根本的なところで、クシクラゲと我々には共通点があるのかもしれない。︵肛門孔から排泄する様子は1‥10前後から。字幕解説は英語です︶︵Video courtesy William Browne︶ 肛門の起源について、定説はこうだ。かつて、あらゆる動物の祖先はただの塊に口がひとつあるだけの単純な生物で、その穴で食事も排泄も行っていた。しかし、長い時を経て、体が細長くなるとともに、口と反対の端にもっぱら排泄を行う肛門ができ、口と肛門の間には消化管のある動物があらわれた。 この定説は、現生の動物を観察した結果生まれたものだ。植物と勘違いされ
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﹁うつ病は心の風邪﹂という比喩を耳にしたことがある人も多いだろう。その出自は私も知らないが、1990年代の後半には雑誌やメディアでもしばしば取り上げられていたと記憶している。もともとは﹁うつ病は︵風邪のように︶誰でもかかる可能性のある病気、苦しかったら躊躇せずに受診して欲しい﹂くらいの意味合いだったはずだ。 ところがその主旨が誤解され、﹁風邪のような軽い病気ではない﹂﹁患者の苦痛を軽視している﹂などの非難を浴びるようになった。実際、うつ病は治りにくい病気だ。一般的に治療期間も長いため社会生活上の支障も大きく、回復した後も再発防止のための治療や心配りが必要になる。風邪と同列に扱われたのでは患者も家族もたまったものではない。うつ病に苦しむ人に心ない発言をしたりネット上にカキコミをする者も出るに至ってはこのような比喩は一切やめてしまった方が良いと思う。 うつ病が﹁誰でもかかる可能性のある病気﹂で
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