すんなり行くわけがないな。とは思っていたのである。 わが町ブライトンにやって来るPiLのチケットを入手した時点でその予感はあった。 案の定、勤務先の保育園が、PiLのギグ当日に保護者面談を設定しやがる。「いや、その日はダメです」と嘘八百を並べて日程をずらしてもらうが、どうしても当該日しか都合のつかない保護者がいるという。保護者面談は、営業時間終了後の午後6時からはじまる。そんならもう、早い時間に来てもらって、最悪の場合は、わたしはテディベアとこぶたさんの絵のついた制服のTシャツを着たままギグ会場に走るしかない。 と決意したのは、その都合のつかない保護者というのが、家庭環境が複雑で問題行動が著しいJの親だからで、そうした子供たちと働いた経験のあるわたしが全面的にJを担当しているため、同僚に代わってもらうことが無理だからである。 んなわけで、大きな不安を抱えたまま当日を迎えたわたしは、5時55
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