俳優の伊勢谷友介さんが大麻所持で逮捕され、違法薬物の対応に関して注目が集まっています。今回は救急医の立場から大麻について考えてみます。 大麻の危険性今回の件で様々な報道や情報をみていて、大麻の危険性が低いという旨の話をちらほら見かけました。まずは大麻と危険性についての話からします。 大麻︵マリファナ︶はアサの花冠や葉を乾燥させたり、樹脂化させたり、液体化させたものを指し、これに含まれる化学物質はカンナビノイドと言われます。実のところ、救急医療に10年以上携わっておりますが、大麻中毒で搬送されてきた人は見たことがありません。カンナビノイドをより強力に作用する形にした合成カンナビノイドを使用した危険ドラッグ中毒で搬送された方は何名か見たことがあるのですが、大麻そのものでの中毒例というのは経験がありません。大麻そのものは、急性中毒で重篤な状態に陥ることは少ないのかもしれません。では大麻は危険な薬