ノブレス・オブリージュ︵noblesse oblige︶19世紀にフランスで生まれた言葉で、﹁noblesse(貴族)﹂と﹁obliger(義務を負わせる)﹂を合成した言葉。財力、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことをさす。身分の高い者はそれに応じて果たさねばならぬ社会的責任と義務があるという、欧米社会に浸透する基本的な道徳観である。法的義務や責任ではないが、自己の利益を優先することのないような行動を促す、社会の心理的規範となっている。 また、聖書の﹁すべて多く与えられた者は、多く求められ、多く任された者は、さらに多く要求される﹂︵﹃ルカによる福音書﹄12章48節︶に由来するとも言われる。 例えばイギリスでは、国家・国民のために尽くす義務があるという意味に受け取られ、貴族やエリートの教育で扱われる。アメリカでは﹁慈善を施す美徳﹂の意味があり、富裕層が貧しい人々に慈善を施すという形で実