ブックマーク / note.com/yuki_anzai (3)
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先日、岸田首相の﹁育休中のリスキリング﹂という発言が大きな波紋を呼びましたが、政府は個人の﹁学び直し﹂支援に5年間で1兆円もの予算を投じる方針を発表し、﹁学習﹂に対する世間の注目も高まってきているように思います。 学習論の研究者としてこのこと自体は喜ばしいなと感じる一方で、﹁学び﹂と言うとスキルや知識の習得のことばかりが語られがちな点が気になっています。 私が専門としてきた学習論においては、﹁学習﹂は単なる知識やスキルの獲得のみならず、もっと広く捉えて議論がなされてきました。しかし、﹁どうやって学習を支援するか﹂というHOWを考える前に必要な、﹁学習とは何か﹂という議論が、全然足りていないように思えるのです。 何をもって﹁学び﹂とするかは、時代とともにアップデートされ続けてきています。﹁学習とは何か﹂を深く、ラディカルに考えることは、学習において最も重要といっても過言ではありません。 とい
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組織に“できたてホヤホヤの暗黙知”をシェアする仕組みをどうつくるか?子どもの﹁逆上がり﹂習得過程を見て気づいたこと 今日は﹁子どもの日﹂ということで、個人的な話になりますが、先日、5歳の娘が﹁逆上がり﹂を習得しました。 一人の親として感動を覚える瞬間だったことはもちろん、習得のプロセスがまさにヴィゴツキーの言う﹁ZPD︵Zone of Proximal Development、最近接発達領域︶﹂そのもので、親としても、研究者としても非常に感激してしまいました。 そこで本記事では、﹁娘の﹃逆上がり﹄習得﹂というきわめて身近なエピソードを通じて私が感じた、ナレッジマネジメントにおける﹁できたてホヤホヤの暗黙知﹂の重要性と、﹁ZPD﹂を学びにつなげるためのポイントについて、書いてみたいと思います。 ある日の公園での﹁驚き﹂の出来事ある日、保育園の帰り道に寄った公園にて。5歳になったばかりの娘が、
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コロナ禍を通じて働き方が大きく変化したことで、チームビルディングや組織開発のあり方も見直され、﹁よい関係性をつくること﹂の重要性について指摘する人が増えてきていると感じます。 とりわけ﹁心理的安全性﹂というキーワードがこの潮流に与えた影響は大きく、﹁言いたいことを言い合える関係性をつくった方が、チームの生産性とパフォーマンスが上がる﹂ということは、多くのビジネスパーソンに広まっているのではないでしょうか。私自身も﹃問いかけの作法﹄を執筆するにあたって、旧友である﹃心理的安全性のつくりかた﹄著者の石井さんと議論を重ねながら、自分なりにも思考を深めてきました。 しかし今回の記事であえて考えてみたいのは、心理的安全性が高ければ、すなわち言いたいことがなんでも言い合えれば、それはイコール﹁よい関係性﹂と言えるのだろうか?ということです。 私が経営するMIMIGURIのミッションである﹁組織の創造性
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